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ブログ記事

ペットボトル症候群

投稿者 j_sugimoto 日時 2016年7月10日

このところ暑い日が多いので、熱中症が多く報告されているようです。

熱中症の予防には水分や塩分の摂取が重要となります。
そこで「ポカリスエット」や「アクエリアス」など(他にもたくさんありますが)のスポーツドリンクを飲む機会が増えるかと思います。
のどがかわくため、他にもつめたい清涼飲料も欲しくなります。
しかし、スポーツドリンクや清涼飲料には糖分が多く含まれています。
糖分の多いこれらの飲料を多量に飲み続けていると、急激に血糖値が上がる「ペットボトル症候群」に陥る危険性があります。

「ペットボトル症候群」の正式な名称は、「ソフトドリンク・ケトーシス」といいます。
糖分の多いソフトドリンクなどを継続して多量に摂取することで血糖値が上昇し、血糖値を一定に保つために必要なインスリンの働きが一時的に低下するために起こります。
インスリンが足りなくなると、吸収したブドウ糖をエネルギーとして上手に利用できなくなり、体の中に蓄えてある脂肪などを分解してエネルギーとして利用せざるを得なくなります。
そのときに「ケトン体」と呼ばれる代謝物が増えてしまうので、血液が酸性に傾きます。
これを「ケトーシス」というのですが、結果として、意識が朦朧としたり、強い倦怠感があったりします。

糖分の過剰摂取のために血糖が上がってしまうと、それを薄めようとしてさらに水分を欲するため、のどが渇きます。
血液の浸透圧も上がるので、浸透圧利尿と言いますが、尿の量も増えます。そうなると、体から水分がさらに出て行ってしまうので、そのせいでさらにのどが渇き、甘い飲み物をさらに飲んでしまうという悪循環に陥ってしまいます。

一般的な清涼飲料水には、 1 リットル当たり 100 グラム前後の糖分が含まれています。
一般的なスポーツドリンクには、1 リットル当たり 40~60 グラム程度の糖分が入っています。
角砂糖1個が4~6グラム前後なので、1 リットルの飲料を一気に飲んだ場合、清涼飲料水では角砂糖 20 個、スポーツドリンクでは角砂糖 10 個をかじったのと同じことになります。

激しい運動をする場合や、長時間運動を続ける場合、糖分を増やしてエネルギーを補給する必要があります。
塩分も汗をかくことで大量に喪失するため、多くとる必要があります。
スポーツ飲料は、このような場合を考えて、そういう場合にちょうど良いように、成分ができています。
ですから、通常の日常生活の中で摂るには適切でないのは当然です。
日常の生活における脱水の予防には、スポーツドリンクや清涼飲料水だけでなく、お茶やミネラルウォーターなどの糖分の入っていない飲み物と交互に摂ったりするなどの工夫が必要です。

また、乳幼児は、糖分が多すぎると上記の「ペットボトル症候群」を起こしますが、少なすぎると低血糖を起こします。
食事が採れない時には、経口補水液(OS-1など)を上手に摂ることが大切です。

時と場合に応じた適切な水分摂取を行うことで、「ペットボトル症候群」や熱中症を上手に予防しましょう。

 


妊娠中の食事と子どものアレルギー

投稿者 j_sugimoto 日時 2016年6月30日

先日、外来で質問されたのですが、
「妊娠中に特定の食品(卵や牛乳など)をたくさん食べたら、赤ちゃんがアレルギーになる」という話を聞いたのですが本当ですか?
という質問がありました。

妊娠中の食事制限はその後の赤ちゃんのアレルギーとは何も関係ない、というのが、現在の考え方の主流です。

アレルギーは体質の素因も大きいので、両親もしくは、母親、父親のどちらかにアレルギーがあれば、子どもにアレルギー体質は遺伝することがあります。
ただし、もちろん、ぜんそくやアトピー性皮膚炎などのアレルギーの病気が必ず発症するというわけではありません。

アレルギーについては、まだまだ、はっきりとわかっていない部分も多いのですが、発症するかどうかは環境や生活習慣、食事など、さまざまな要因が関係します。

「妊娠中に牛乳や卵、大豆をとらないように食事制限したほうがアレルギーの発症が抑えられる」という報告も過去にあったのは事実です。しかし、その後の研究や報告で、これについてはどうも違うらしいということがわかっています。
つまり、現在では、「お母さんが妊娠中に卵や牛乳をとってもとらなくても、赤ちゃんのアレルギーの発症率は変わらない」と言われています。
食べ過ぎや飲み過ぎには注意が必要ですが、「赤ちゃんのアレルギーを心配して食事制限をするよりも、バランスよく栄養をとったほうがいい」というのが、いまの考え方の主流になっています。
大切なのは偏らない食事を心がける事、特定の食材ばかり極端に食べ過ぎないように1日の摂取量を考える事です。

また、食品添加物はアレルギーと関わりがありますので、例えばインスタント食品、ファーストフード、スナック菓子などは、食べ過ぎないように注意が必要です。


ヒトメタニューモウィルス

投稿者 j_sugimoto 日時 2016年5月19日

最近、「ヒトメタニューモウイルス」による上気道炎・気管支炎が流行っているようです。

殆どの方にとって、あまり聞きなれないウイルスの名前かもしれません。毎年3~6月ぐらいの、インフルエンザの流行が終わった後ぐらいの時期に流行することが多いウイルスで、簡単に言ってしまうと、「風邪の一種」です。
特に大きなお子さんでは重症化することは殆どなく、ごく普通の風邪症状で終わることが多いのでまず心配ありません。
小さなお子さんでは熱が長引いたり、咳がひどいなど、気管支炎や肺炎に近い症状になりやすい傾向があります。

このウイルスは、迅速検査で診断できます。
しかし、検査してわかっても、特に特別な治療法があるわけではなく、普通の風邪と全く同じで、対症療法のみです。
ですから、このウイルスが流行っているとか、このウイルスの感染の疑いがあるときいても、神経質になる必要はありません。
一部の保育園などでは「園でヒトメタニューモウイルスがでたから、この子も検査してもらってきて」などと言われるようですが、ほとんどが普通の風邪ですし、保険が効くのは6歳未満のお子さんでレントゲンで肺炎が強く疑われる場合のみとなっています。

特に治療もないのになぜ検査があるのか、ですが、この検査の目的は、少しぐらい気管支炎や肺炎の症状があっても、ヒトメタニューモウイルスであれば、全身状態が悪くない限り入院する必要もなく、また抗生剤を使う必要もないので、その判断をするために、検査をするのです。
つまり、ヒトメタニューモウイルスだから大変だ、というよりも、ヒトメタニューモウイルスだから風邪として治療するだけで良さそうですね、ということです。

集団内の感染をくいとめようといくら検査しても、軽い風邪症状のこども(や大人)の方が遥かに多いので、その人達を通じてどんどん感染は拡大します。
また、感染を食い止める必要があるかというと、「どんな風邪も絶対にひかせない」というのは不可能であることと同じように、ヒトメタニューモウイルスの感染を食い止めるというのは、現実的ではありません。風邪の一種ですから。

以上のようなウイルスですので、周りでこのウイルスの名前を聞いても、冷静に対応することが大切です。


開院1周年

投稿者 j_sugimoto 日時 2016年5月1日

当院が開院して、本日、5月1日でちょうど1年が経ちました。
おかげさまで、たくさんの地域の皆様方に来院して頂けるようになり、無事に1周年を迎えられました事に、大変感謝しています。
ありがとうございます。

この1年間を振り返りますと、本当に色々な事がありました。
特に、開院して間もない頃には、わからないことばかりで、せっかくご来院いただきました患者さんに、こちらの不手際でご迷惑をおかけしてしまった事もあったかと思います。申し訳ありませんでした。この場をお借りしてお詫び申し上げます。
スタッフ一同、そのたびに反省と勉強を積み重ねて参りましたが、まだまだ至らない点もあるかと思いますので、さらにより良い医療を提供できますように、今後一層、努力して参りたいと思っております。
今後ともよろしくお願い致します。

「子は宝」と申しますが、子ども達の笑顔は、本当に宝物です。
診察を終えて帰られる時の、お子さんと親御さんの笑顔は、私をはじめクリニックのスタッフに、この上ない喜びを与えてくれます。
いつもありがとうございます。

当院スタッフ一同、少しでもお子さんや親御さん達の笑顔が増えるよう、全力でサポートさせて頂きます。
環境はご家庭によって様々です。できるだけ、各ご家庭の環境や事情を考慮した、治療法や予防法を提供・提案させて頂き、病気のことだけでなく、ささいな悩みや心配事などにもお答えしていきたいと思っていますので、お気軽に受診してご相談下さい。

これからも「すぎもとキッズクリニック」をよろしくお願い致します。

 


溶連菌感染症

投稿者 j_sugimoto 日時 2016年4月18日

最近、インフルエンザは殆どみられなくなりましたが、溶連菌感染症の患者さんが増えています。

溶連菌感染症は、正しくは「A群β溶血性連鎖球菌」という細菌による感染症のことです。短くして「溶連菌」と呼んでいます。

症状は、通常は、発熱・咽頭痛で発症し、初期には普通の風邪とほとんど区別がつきません。吐き気や腹痛をともなう場合もあります。典型的な症状が出ると、イチゴのようなブツブツの舌(いちご舌)になり、紅い細かい発疹(紅斑)が皮膚にでてきます。全身に出る場合もありますし、どこか、あるいは数カ所に出る場合もあります。
後に、治る過程で、指先の皮膚が薄く細かく剥けることがあります。

診断は、喉に特徴的な赤みがあることで疑い、迅速検査で診断するのが普通です。
喉の赤みと流行状況や症状から、検査をせずに診断することもあります。

また、最近は、喉の赤みが溶連菌に特徴的な赤みには見えず、ウイルス性の咽頭炎(いわゆる「のどかぜ」)の時とかわらないように見え、「念の為に」検査をしてみたところ、陽性なので溶連菌感染とわかった、という患者さんも多いように思います。

溶連菌感染症が怖いのは、重症化しやすく治りにくい合併症をおこすことです。熱も下がって治ったと思っている頃に、血尿が出たり、顔や脚がむくんだりすることがあります。溶連菌感染症後の急性糸球体腎炎です。これを発症してしまうと、入院安静が必要で、きわめてまれではありますが、命にかかわる場合もあります。
また、「リウマチ熱」という合併症もあり、これは心臓に後遺症を残すことがあります。

溶連菌そのものは、抗生剤がとてもよく効くので、熱や咽頭痛などの症状は薬をのめばすぐ(1~2日で)おさまる場合が多いのですが、少しでも菌が残っていると、上記の合併症を引き起こす可能性が高くなってしまうので、10日間ぐらいの期間(抗生剤の種類によっても異なります)、しっかり薬を内服して、確実に治癒させることがとても大切です。

また、1日でも抗生剤を飲むと、検査で菌を証明することができなくなります。検査に出ないから治っているのかというとそうではなく、検査に出る喉の表面にいる溶連菌だけがなくなってしまい検査には出なくなりますが、体の中にはまだ溶連菌が残っていて、治療をやめてはいけないのに検査でわからない、ということになってしまいます。
ですから、抗生剤内服前に診察・検査をして、きちんと診断をする必要があります。
「熱があったらとにかく抗生剤を飲む」というような、いい加減なことをしていると、この病気(などの診断・治療が大切な細菌感染症)を見逃してしまうことになります。

発症から2週間ぐらい、つまり抗生物質を飲み終えた後ぐらいに、尿検査をして、腎臓に異常がないことを確認しておくのが望ましいです。
もちろんそれまでに、血尿や体のむくみ、なんだか元気がない、息がきれやすくなったなど、気になる症状があれば、適宜、受診して下さい。

普通は、抗生剤内服後、解熱して丸1日程度たてば、少なくとも喉の表面の、うつる場所にいる菌はほぼ除菌されますので、登校や登園は可能になります。
しかし、発熱が続いていたり、元気がないときは、十分薬が効いていない場合もありますので、症状が落ち着くまで安静を保つことが必要です。
また、きちんと薬を飲んでいるにもかかわらず、3日たっても熱が下がらない時は、処方されている抗生剤の効きにくい菌かもしれませんので、もう一度受診して下さい。

飛沫感染ですので、予防には、手洗い・うがいを徹底して下さい。マスクも有効です。また、患児と同じコップや食器を使うことは避けて下さい。
溶連菌は感染力が比較的強いので、兄弟・姉妹の方は感染している可能性があります。
潜伏期間は通常、2~5日程度と考えられています。喉の痛みや発熱などの症状が出てこないかを、注意して観察してください。症状の出現があれば、受診して下さい。

 


胃腸炎が増えてきています。

投稿者 j_sugimoto 日時 2016年4月4日

最近、インフルエンザの患者さんはかなり減ってきましたが、急性胃腸炎の患者さんがやや増えてきています。検査をするとロタウイルスが検出されることが多いです。

ロタウイルスは、乳幼児の感染・発症率が高い感染性胃腸炎です。好発時期は2~4月ですので、まさに今の時期に流行しやすいウイルスです。

ロタウイルスの特徴ですが、もう一つの有名な急性胃腸炎のウイルスであるノロウイルスと較べて、吐き気や嘔吐は比較的軽めなことが多いのですが、下痢は激しいことが多く、熱も高め(38℃以上が多く、40℃近いこともあります)になりやすい傾向があります。
また、症状が長く続きやすいのもロタウイルスの特徴です。
ノロウイルスの場合は、激しい嘔吐で始まりますが、治まってくると回復も早いことが多いです。しかし、ロタウイルスの場合、ちょっと症状が良くなってきたと思ったらまた吐いて下痢してお腹も痛い、といった感じでだらだらと何日も続いて、結局は点滴や入院が必要になる患者さんは、ロタウイルスの方が多い、という印象です。

便が白くなるという特徴が有名ですが、実際には白くならないことも多く、逆に他のウイルスで白くなることもありますので、あまりアテになりません。
ただ、今までにもブログに書いたことがありますが、ロタウイルスでも他のウイルスでも治療や対処は全く同じです(ロタウイルスの特効薬はありません)ので、ロタウイルスかどうかにこだわることには、あまり意味はありません。当院でロタウイルスの検査をすることもありますが、ロタであることを確認することで、細菌性腸炎や他の腸の病気でないことを確かめる、というイメージです。
ロタウイルスでなければ嘔吐や下痢があっても保育園に行って良い、ということにもなりませんのでご注意ください。

また、ロタウイルスは、脱水以外に、まれですが、痙攣や脳炎・脳症など、合併症の恐れもあります。
水分が全く取れなくて尿が殆ど出ない時や、顔色が悪くぐったりしている時は、迷わず受診して下さい。

乳幼児に多いことから、おむつをつけているお子さんも多いので、下痢のためにおむつかぶれになって、お尻が赤くただれてしまうお子さんもいます。その場合は、おしりふきで拭くよりも、ぬるま湯で優しく洗い流してあげた方が、肌の負担が少ないです。その後で、軟膏を塗るようにすると、速やかに良くなることが多いです。
おむつかぶれになりやすいお子さんは、軟膏も処方しますので、受診された時に教えて下さいね。


離乳食とアレルギー

投稿者 j_sugimoto 日時 2016年3月21日

アレルギーに関して外来で話が出ることが多いものに、「離乳食前にアレルギー検査をしたい」というご希望があります。

以前にも書いたことがあると思いますが、アレルギーの診断は症状から診断するということが基本であり、大原則です。
離乳食を開始する際には、当然ながら、まだ食べたことのないものばかりです。その中から、食べさせるものをすべて血液検査することは不可能ですし、その必要もありません。

お子さんの食物アレルギーで症状が出やすいものとしては、卵、小麦、牛乳、大豆などがあります。また、たいていの日本人にとっては、米は主食で毎日食べるので、よほど強い症状でなければ気づかれにくいものです。
離乳食を始めるにあたって、それらについて検査してみることは、お兄ちゃんやお姉ちゃん、ご両親のどちらかなど、近い親類に強い食物アレルギーの人がいる、などの、リスクの高いお子さんにとっては、一定の意味はあると思います。

しかし、検査はあくまでも「参考」なので、最終的には食べてみてしっかり症状があるかどうかをみることで診断、ということになります。

離乳食の開始にあたっては、まず米(おかゆ)を、最初は「おもゆ」ひとさじから与えて、慣れてきたら少し米つぶも食べさせて、その後は、野菜やイモ類、大豆、魚、とすすめていくのが日本では標準的でしょう。
初めて食べるものは、加熱・加工されたものをひとさじから始め、様子を見ながら少しずつ増量してください。

初めてのものを食べる時は、平日の日中の診療所や病院があいている時間に始めるのがおすすめです。体調に変化があった時に、すぐに受診できるからです。

従来、アレルギーの原因となりやすいといわれている食物については、摂取開始を遅らせることが推奨されていましたが、現在では遅らせることでアレルギー発症のリスクを下げるという根拠はなく、食品によってはかえってアレルギー発症のリスクが上がってしまうという報告もあるので、あまり遅らせすぎるのも良くないと考えられています。

血液検査は参考にはなりますが、決め手にはなりません。
時々、全く症状が出ていないのにもかかわらず、離乳食開始前に血液検査を実施し、その結果をみて、少し数字が出ているからと、離乳食の食品に制限をし、偏った栄養摂取となっている場合があります。
過剰な食品の除去は、逆にお子さんの健康に害となります。

繰り返しになりますが、血液検査も一定の意味はありますが、あくまでも、アレルギーは症状から診断します。いつ、何を食べた時にどのようなアレルギー症状が出ているのかを正確に把握し、受診時にきちんとお伝えいただくことが、アレルギーの正確な診断と治療につながります。


見張りいぼ、切れ痔、便秘

投稿者 j_sugimoto 日時 2016年3月13日

太くかたい便が肛門を通るときに、肛門の粘膜や皮膚が切れてできる肛門の裂け目(裂傷)のことを裂肛といいます。いわゆる「切れ痔」です。
これは、赤ちゃんやこどもの血便の原因としてもっとも多いものです。

肛門の粘膜にできた傷はふさがるのが早いので、外から見てもわかりにくいことが多いのですが、排便のたびに何度も繰り返して裂けると、次第に裂け目が深くなって、炎症を起こします。
痛みのために排便を嫌って我慢するようになって、なかなか便が出ないと、さらに便がかたくなって、排便のたびに出血したり、おしりの痛みが強くなる、だからますます我慢して便が固くなる・・・という悪循環に陥ります。

慢性的に裂けて炎症を起こして、ということを繰り返すと、肛門の裂け目のまわりの皮膚が「いぼ」のように盛り上がってきます。
これを「見張りいぼ」といいます。
「いぼ」と名前がついていますが、これは「いぼ痔」ではなく、「切れ痔」です。少しややこしいですね。

腫れて明らかに痛がっているなど炎症が強い場合は、軟膏などを使用することもありますが、通常は「見張りいぼ」そのものへの治療が必要なことはあまりありません。
便秘やかたい便がそもそもの原因であることが多いため、排便のコントロールを行い、肛門部の清潔を保つことが大切です。
排便が順調になれば、裂傷の繰り返しがなくなり、「見張りいぼ」も小さくなってきます。
治ったあとに肛門のひだ・皮膚のふくらみが残ることもありますが、手術などの必要はまずありません。

お子さんのひどい便秘、便に血が付いている、排便時の痛み、肛門周囲の「いぼ」などの症状が気になったときは、受診してご相談ください。

 


ワクチンはお早めに

投稿者 j_sugimoto 日時 2016年3月6日

幼稚園・保育園の年長さんは麻疹風疹(MR)ワクチンの 2期(2回目)、小学校 6 年生は二種混合(DT)ワクチン、接種はお済みでしょうか?
母子手帳を確認して、まだの方はお早めに。
当院は、月・火・水・金の 14:00-16:00 の昼診は完全予約制の、予防接種・乳児健診専用の時間になっています。
昼診の時間帯がご都合が悪い場合は、上記ワクチンに限らず、朝・夕の一般外来の時間帯でも在庫があるかぎり対応しますので、お電話あるいは窓口でご相談下さい。
現在はインフルエンザやロタウイルスなどが流行中ですので、感染予防の観点からは、専用の時間帯である昼診がベストですが、当院の待合は感染症と非感染症にスペースが別れていますので、朝診・夕診の時間帯でも、「待っている間に病気がうつってしまう」という心配はかなり少ないと思います。
春休みに入ってから、と思っていると、思わぬ病気のせいで、うてなくなってしまう可能性があります。例えばインフルエンザにかかってしまった場合、治癒した日から2週間以上あける必要があります。

ワクチンは、できるだけ早いうちに、うってしまいましょう。

 


B型肝炎ワクチン定期接種化決定

投稿者 j_sugimoto 日時 2016年2月11日

B型肝炎ワクチン定期接種化(無料化)のお話です。

以前から、今年10月から定期接種化という話が出ていて、化血研の問題からどうなることかと思っていましたが、予定通りに10月開始ということに決まったようです。
また、報道で明記されていないものも多いですが「平成28年4月以降生まれの0歳児」対象になるようです。ということは、今すでに生まれていて「無料になるのを待とう」と思っている方は、対象外になるのでご注意下さい。

ここで気になるのがワクチンの供給体制です。今年の4月以降に生まれた赤ちゃんは、当然10月までは接種しないでしょう。となると、10月の接種開始時には、4~8月生まれの赤ちゃんが、いっぺんに受けようとすることになります。ワクチンの供給は、本当に大丈夫なのでしょうか?
足りなくなって困ることが予想されれば、普通に考えると、前もって国が対策してくれる筈なんですが、過去には、何の対策もなされていなくてワクチン不足で大騒ぎ、ということは全く珍しくありませんでしたので、どうなるのか気になるところです。

B型肝炎は、基本は性行為あるいは血液を介してうつる病気なのですが、時には知らぬ間に家庭内や集団生活の場で感染して、感染者になっていることがあると言われています。
お父さん、お母さん、(同居の)おじいちゃん、おばあちゃんなどの大人の方で、今までにB型肝炎ウイルスの検査をしたことがない方は、ご自身のためにも赤ちゃんにうつさないためにも、一度検査(肝炎ウイルス健診)で確認しておかれることをお勧めします。小児科なので当院では行っておりませんが、20歳以上で過去に肝炎ウイルス検査を受けたことのない方には、公費で検査を受けられる制度もあります。

 なお、「お知らせ」で数日前に書かせていただきましたが、自費(任意接種)でのB型肝炎ワクチンの接種予約は通常通りの体制で再開しています。


病気の時のお風呂について

投稿者 j_sugimoto 日時 2016年1月24日

外来でよく聞かれる質問の一つに、「お風呂は入っても良いですか?」という質問があります。

病気の時には、お風呂にはいってはいけないとよく言われ、広くそう信じられています。しかし、実は科学的な根拠はあまりありません。

世界中でも病気の時のお風呂の習慣は様々で、子供が風邪をひいて熱がある時に、熱いお風呂に入れる国や地方もありますし、水やぬるま湯のお風呂に入れる地方もあります。
それぞれある程度は理にかなっていて、
熱いお風呂に入れるのは、熱が出るということは体が熱を欲しているからだ、それなら熱いお風呂に入れてしっかり熱を上げよう、という考え方。
水やぬるま湯のお風呂に入れるのは、熱が出ているから冷やして熱を下げよう(クーリング、冷却)という考え方。

熱が出ている時に熱いお風呂に入るのはしんどいし、水やぬるま湯のお風呂に入ると寒気がして、ますます熱が上がってしまう、という側面も考えられることと、日本人には体質的に熱性けいれんという、熱が出ることによってけいれんを起こす体質を持っている人が多いことから、日本では「無難に」病気の時、特に熱がある時には、お風呂は入らない、という習慣が広まったのだと思われます。
また、以前は内風呂が少なく銭湯などの外風呂の利用が多かったため、病気の子供には衛生状態が気がかりだったり、行き帰りに体が冷えたりということも理由としてあったのかもしれません。

一般的に入浴には、
1)皮膚を清潔にし、皮膚呼吸を助ける  
2)皮膚に刺激を与え、血行をよくする
3)身体を温め緊張を解きほぐす     
4)精神的疲労を取り除く
といった効果があります。

ですから、入れるのならできるだけお風呂には入った方が良い、と私は考えています。

そこで、風邪などの病気の時の入浴は、以下のような点に気をつけて下さい。

・発熱の程度が強くて、つらそうな時には、入浴はひかえましょう。逆に言えば、多少の熱があっても、元気があって顔色も良い場合には入浴して良いでしょう。
・熱性けいれんを起こしたことのあるお子さんは、熱がある時は入浴を控えた方が無難です。
・どこかが局所的に明らかに熱を持っていたり、赤く腫れていたり、ズキズキと痛いところがある場合は、お風呂は入らない方が良いです。   
・発熱がなくても、本人が入浴をいやがる時には、無理に入れることはやめましょう。 
・ひどい下痢の場合の入浴は、家族への糞口感染のリスクが高まりますので、控えた方が良いでしょう。あるいは最後に入浴するなどの工夫を。
・咳や鼻水がでていても、顔色がよく、食欲や元気もある場合は、入浴しましょう。
・お子さんの状態や様子をよく見て、お湯の温度や時間を加減してください。
・湯冷めに注意して、お風呂の後はすぐに布団に入るようにして下さい。


風邪をひいたら抗生剤?

投稿者 j_sugimoto 日時 2016年1月17日

抗生剤(抗生物質)というのはどういうお薬か、ご存知でしょうか?

かぜを早く治す薬でしょうか? 
それとも、早く熱を下げてくれる薬でしょうか? 

答えは、抗生剤・抗生物質とは、細菌「だけ」をやっつける薬です。ウイルスには全く効果がありません。

かぜや発熱の原因はいろいろありますが、そのほとんどはウイルスによるものなので、抗生剤は全く効きません。 
みずぼうそう、おたふくかぜ、はしか、風疹、ヘルパンギーナ、アデノウィルス感染症、手足口病、ノロウイルス、ロタウィルス、突発性発疹、などなど・・・

小児科でよくみかけるこれらの病気は、みんなウィルスが原因なので、抗生剤は全く効きません。
抗生剤は、溶連菌感染症や、とびひなどの、細菌による病気にのみ効果があります。
実は、扁桃炎、気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎などでも、ウイルスによるものも多く、その場合は抗生剤は効果がありません。もちろん、細菌によるものであれば、効果があります。

では、病気の原因がウィルスか細菌か分かるのか、ということですが、症状に特徴のある病気なら、比較的簡単です。
しかし、例えば、熱や咳や鼻水といった、いわゆる風邪症状だけ、というような場合は、その原因がウイルスか細菌かを見分けるのは、なかなか難しいです。
その為、例えば、熱や咳や鼻水が続いた場合に、経過をみながら検査 (採血やレントゲンなど)をして、細菌による感染症が強く疑われた場合などに抗生剤を使うことになります。
最初はウイルス性の風邪だったものが、長引くことで細菌が増えだして「こじれる」こともあります(2次感染といいます)。そうなれば抗生剤を使用します。

それなら初めから、「念の為に」抗生剤をのんでおけば良いんじゃない?と思われた方もおられるかもしれません。
ウイルスか細菌かはっきりしないなら、抗生剤をのんでおけば安心でしょ、というふうに思われたかもしれません。
しかし、それは、よくありません。

なぜかと言うと、

まず第一に、常在菌が減ってしまいます。
常在菌とは、体内にいつもいる細菌で、いわゆる善玉菌などのことです。
これらの細菌は、悪い病気の細菌から私達の体を守ってくれています。しかし、抗生剤を安易に使用してしまうと、この常在菌たちが死んでしまうので、かえって感染症にかかりやすかったり、治りにくい身体になってしまいます。抗生剤を飲んで下痢をした経験のある方も多いと思いますが、これも、腸内の善玉菌が減ってしまったからです。

第二に、耐性菌が増えてしまいます。 
耐性菌とは抗生剤の効かない細菌のことです。抗生剤を使えば使うほど増えていきます。
そして、いざ肺炎になってしまった時に、耐性菌なので抗生剤を使っても効かない、ということになり、大変なことになってしまいます。

昔は、おそらくウイルス性の風邪だと思っても、抗生剤を「念の為」とか「とりあえず」などと言いながら、処方する医師・医療機関が多かったようです。 
その為、薬をもらう患者さんの方も、抗生剤をのむことが当たり前になってしまい、「風邪は抗生剤のおかげで治っているのだ」という思い込みや、「抗生剤をもらっておけば安心」と感じる方が増えてしまったようです。

しかし、上に書きましたように、安易な抗生剤の使用にはデメリットもあります。
医師、特に私達小児科医は、患者さん一人一人に対して、抗生剤が必要かどうかをしっかり吟味しながら、丁寧にこまめに診療していくことが大切であると考えます。
また、病状に応じてこまめに再受診していただくことが、不必要な抗生剤の使用を減らすとともに、重い病気を見逃さないことにもつながります。

分からないことや疑問がございましたら、診察室でどうぞお気軽にご質問ください。

 


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