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ブログ記事

インフルエンザワクチンの有効性

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年9月10日

少し前になりますが、新聞やネットのニュースで、
「<インフルワクチン>乳児、中学生に予防効果なし」
などと報道されていたのをご存知でしょうか。

慶応大などの研究チームが米科学誌プロスワンに発表した論文で、小児を対象にした世界的に例がない大規模調査で明らかになった、というお話です。

報道では、「乳児、中学生に予防効果なし」のところに重点が置かれていましたが、この報道の仕方にはマスコミの悪意を感じます。
私はむしろ、逆に幼児~小学生には明らかな予防効果があったということに注目すべきだと思っています。
1歳未満の赤ちゃん(乳児)には予防効果がかなり乏しいらしいということは、小児科医の間では以前から言われていたことですが、それが、データとしてはっきりと示された形です。赤ちゃんを守るには他の家族などの接種が重要だということです。
また、13歳以降の中学生で効果が見られなかった理由はわかっておらず、今後の検討課題とされていますが、私の個人的な意見では、13歳以降はワクチンを通常、1回しか打たないから、というのも理由の一つではないかと考えています。
13歳未満は日本では通常、2回接種です。13歳以降の中学生は1回のことが多いです。この差が大きいのではないか、ということです。(繰り返しますが私の個人的な考えです)
13歳以降は1回接種としている医療機関が多いですが、ワクチンの添付文書にある用法では、13歳以上は「1回または2回接種」となっているので、13歳以降の中学生以上(成人を含む)でも、2回接種が特別変わった接種方法というわけではありません。受験生など、できるだけインフルエンザの可能性を減らしたい方は、2回接種を検討してみても良いかもしれませんね。

当院では、インフルエンザワクチンは1歳のお誕生日からとし、1歳未満の赤ちゃんへの接種は行いません。

1歳以上の方へのインフルエンザワクチン接種は10月半ばぐらいから行う予定ですが、現在、検討と交渉を行っています。
予約方法・費用など詳細を決定次第、当院ホームページでご案内します。もうしばらくお待ちください。

 


咳止め

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年8月30日

咳がひどい時、あるいは咳が続く時、「咳止めが欲しい」とよく言われます。
お子さんの咳がひどければ、その咳を止めて楽にしてあげたいと思うのは当然のことです。お気持ちはとてもよくわかります。

しかし、ここで、咳はなぜ出るか、を考えてみましょう。

咳は、のどや気管支といった空気の通り道である「気道」の中の、不要なものを取り除こうとする体の反応として出るものです。
不要なものとは、細菌やウイルスといった病原体、傷んでしまった気道の粘膜、誤って気道に入ってしまった異物、出すぎた痰や、鼻からのどや気管に流れ込んだ鼻水などです。ということは、咳がでるからといって、「必要以上に」止めてしまうと、不要なものを取り除こうとする力を邪魔することになるので、悪化したり気管支炎や肺炎などの合併症や2次感染を招く原因になったりします。
喘息などの場合には、痰が溜まってしまうので、症状がより悪化して重症の発作を起こしたり、無気肺という痰が詰まって空気が入らない部分ができてしまったりして、危険です。このため、基本的には「咳止め」は不必要な薬と言ってもよいでしょう。

痰がひどいときや、痰の切れが悪くてひどく咳が出る場合には、痰切りの薬で痰を出しやすくすることで、結果的に咳が減ることが期待できます。痰の切れが悪くて何回も咳を繰り返していたのが、痰の切れが良くなれば、痰を出すための咳が少なくて済むからです。あるいは、喘息が原因で咳が出るのであれば、気管支拡張剤という気管支を広げる作用のある薬や、気管支の炎症を取る薬などの、「喘息の薬」で症状を緩和することができます。肺炎や気管支炎などが咳の原因なら、原因となっている肺炎・気管支炎などの治療が重要です。
つまり、咳に対しては、咳止めで咳を抑えようとするのではなく、咳の原因を改善あるいは根治する薬で治療を行うことが基本です。
咳止めは、のむとしても、過剰に(必要以上に)出ている咳を少しマシにする程度の軽い咳止めだけにするのが良いのです。病気の原因にアプローチしない「咳止め」の薬はあまり効きませんし、もし効いても必要な咳が出せずに病態を悪化させてしまうことになりますから、やみくもに強い咳止めをのむことは避けるべきです。

当院では、「咳止め」は害のない程度にしか処方しませんので、あまり効かないかもしれませんが、上記のように、咳に対しては、咳止めで無理に咳を止めることよりも、「咳の原因をしっかり見極めてそれに対して治療を行うこと」や、「合併症や2次感染を起こしていないかしっかりチェックすること」が特に大切であることを、ご理解下さい。

薬の他には、痰の絡みを改善するために水分をしっかりとることや、空気の乾燥を避ける(空気が乾燥していれば加湿する)ことも、咳に対して有効なことがあります。
熱がなければお風呂に入ることで、体が温まり喉も加湿されますから、咳が減ることがあります。

 


クーラーの使い方

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年8月23日

お子さんがいるご家庭で、クーラーを使うべきかどうか、外来で時々質問されます。

特に喘息をお持ちのお子さんが咳をしていたり、一夏に何度も風邪を繰り返してひいたりなかなか治らなかったりすると、親御さんとしては「クーラーが原因かな?」と思われることでしょう。

結論から言えば、クーラーは使うべきだと私は考えています。

私が子供の頃は、私も喘息もちでしたから、「クーラーはできるだけ使わないほうが良い」と主治医から言われていました。

しかし、その時代と今とでは、暑さの質が根本的に異なります。

まず、単純に「暑い」「気温が高い」ということがあります。
地球温暖化の影響かどうかはともかくとして、昔に比べて気温が高いのは確実です。
気象庁発表の百葉箱の中の気温のデータではなく、実際に生活する環境の気温は、昔に比べて明らかに上がっています。

加えて、日本の住宅構造も関連があります。
特に都心部や住宅密集地においてはそれが必要とされるからですが、騒音対策やエコ対策の普及などにより、日本の住宅は気密性が非常に高い住宅が多くなりました。
「高気密高断熱」ということは、「こもった熱が逃げにくい構造」ということです。

日本の夏は諸外国と比べて湿度がとても高いというのも特徴です。
湿度が高いと気温の数値以上に体感温度も高く、体の熱が逃げにくくなります。

子どもの体の特徴として、体の表面の面積当たりの発汗量が大人よりも多く、それでいて体内の水分の絶対量が大人より少ないということがあげられます。
ですから、子どもは暑い状況にさらされると大人よりも脱水になりやすいのです。

以上から、脱水や熱中症を防ぐために、エアコンを上手に使ってあげる必要があります。
同時に、適度な水分と塩分のこまめな補充も必須です。

「では、設定温度は?」というのもよく質問されますが、これは機種により異なるものなので一概には言えません。
また、温度計を使って室温を計っている方もおられますが、単純に数値だけの問題ではありません。
私は、「大人、特に男性が快適と感じる温度よりも、ちょっと高めの設定にして下さい。大人の男性がちょっと暑いなと言うぐらいがちょうど良いです。」とお答えしています。
例外はありますが、一般的には(大人の)男性は女性よりもクーラーを強めにかける傾向があり、女性は冷え症の方が多いですので、そのようにお答えしています。

クーラーが効きすぎると睡眠時に体の熱が奪われて(=冷えすぎて)良くないし、高すぎると汗を多くかきすぎてしまうのでやはり良くないです。

あと大事なことは、扇風機やエアコンの風が直接体に当たらないように工夫すること。
直接、体に風が当たると、思った以上に体温が奪われてしまいやすいからです。

 


咽頭結膜熱

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年8月16日

今年はそれほどこの病気の患者さんは多くないですが、それでも最近時々みかける病気、「咽頭結膜熱」についてお話します。

「咽頭結膜熱」と言われると「何、それ」と思う方も多いかもしれませんね。一般には「プール熱」という名前の方が知られているかもしれません。

昔はプールの水を介してうつって流行したので「プール熱」と言われましたが、現在の正しく管理されているプールの塩素濃度ではウイルスが死滅しますので、プールで流行する病気ではありません。
未だに「プール熱」と呼ぶのは、誤ったイメージを持ってしまうかもしれませんね。

正式な名称は「咽頭結膜熱」ですが、この名前がつくのは、39℃から40℃の高熱と、咽頭(のど)の腫れ、結膜炎、の全ての症状を伴った場合だけです。
原因ウイルスの名前を使って「アデノウイルス感染症」とも呼ばれます。これは症状が軽くても使える病名ですし、症状が軽くても人にうつってしまうことなど注意事項はかわらないので、咽頭結膜熱も含めて全てを「アデノウイルス感染症」と呼ぶようにするのが良いのではないか、と私は思っています。

この病気にかかってしまうと、高熱が、平均で4~5日程度、長い人では1週間以上も続きます。
10日間40℃の熱が続くこともあります。
咳、鼻水を伴うこともありますし、腹痛や下痢を伴うこともあります。
扁桃腺やのど、目が真っ赤になったり、白苔(白い滲出物)がついたり、目やにがたくさん出たりします。

ウイルス感染症で、特効薬はありません。抗生剤も効きません。
対症療法を行いながら、治るのを待つ、ということになります。

予防には、ウイルスが口、鼻、喉、目の結膜から体内に入り感染するため、タオル、洗面器、食器などは共用しないこと、咳やくしゃみでもうつるため、マスクと手洗い・うがいも予防に効果があります。
また、子供は無意識に目をこすったりしますし、あちこち触ってしまいます。みんながよく触れる、ドアノブやスイッチ、手洗い場などはこまめに消毒が出来るとよいでしょう。
消毒は、アルコールでもある程度の効果がありますが、よりしっかりと消毒するためには、ノロウイルスなどと同じく、次亜塩素酸を使うことがお薦めです。

学校、幼稚園、保育園は、主要な症状がなくなってから(熱が下がって喉や目の赤みや痛みもなくなってから)さらに2日休むこと(出席停止)になっています。

 


喘息の人は煙やホコリに要注意

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年8月9日

もうすぐお子さんの夏休みも半分が経過しますね。お盆はお父さん・お母さんもお休みのご家庭も多いのではないでしょうか。

夏休みは、花火・蚊取線香・お墓参り(お線香)・バーベキューなど、煙を吸ってしまう機会が増える季節でもあります。

さらに、実家に規制したり旅行先では、客用の布団(=いつもと違う環境でホコリやダニが多い可能性が高い)で寝ることにもなります。
また、プール・海水浴・川遊びなどで、疲れが溜まりやすいという事情もあります。
疲れている状態で煙やホコリを吸ってしまうと、気管支喘息の発作を起こしやすいです。

また、実家に帰省していると、親戚のおじさん・おばさんも来ていて、「なんの気遣いもなく」目の前でタバコを吸い始めることもあります。
タバコの煙も喘息のお子さんには非常に有害です。

気管支喘息をもっている人(子供・大人を問わず)は、気管支粘膜に慢性的な炎症が起こっています。そのため、気管支の粘膜が煙やホコリなどの刺激にとても過敏な状態になっています。

いったん発作がおこってしまうと、日常生活に支障をきたし、症状を抑え込むためには、たくさんの薬が必要になります。
予期せぬ発作で苦労しないために、夏休みもしっかり予防薬を使い(吸入・内服)、煙やホコリには十分に気をつけて、楽しい夏休み・お盆休みを過ごしましょう。

 なお、ホームページの「お知らせ」で告知していますように、当院は8月13日(木)から15日(土)までお休みをいただきます(16日(日)までお休みになります)。よろしくお願いします。


子宮頸がんワクチン

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年8月2日

以前にもこのブログにワクチンのお話を書きましたが、最近、何人かの方から、子宮頸がんのワクチンに関しての質問をいただきましたので、私の考えを書きます。

結論から率直に申しますと、「私にもよくわからない」が結論です。

医学研究が進む中で、子宮頸がんの多くが「ヒトパピローマウイルス(HPV)」という、性交渉で感染するウイルスにより引き起こされることがわかってきました。
それがわかったのだから、このウイルスの感染を予防することで子宮頸がんを防ぎましょう、ということで、研究が重ねられ、ワクチンが作られました。

しかし、問題は、一時よく報道されていましたが、副反応です。
このワクチンを接種したお子さんが、慢性の疼痛(頭痛、筋肉痛、関節痛など)や、歩行障害、記憶障害など様々な神経系の障害が現れて、長期間(何年も)続いているのです。

他のワクチンの副反応は、接種後すぐに出現する「アナフィラキシーショック」(アレルギー反応)か、しばらくしてから発生する急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、末梢神経障害(ギランバレー症候群)などで、いずれもほぼ確立された治療法で、たいていは軽快します。後遺障害の残ってしまうお子さんはごくごく一部です。
しかし、子宮頸がんワクチンの副反応は、治療法はおろか、そもそも何なのか、なぜそういうことになるのかすら、まだ全くわかっていません。
当院のホームページからもリンクを貼らせてもらっている「know-vpd」のサイトなどで、慢性疼痛はHPVワクチンそのものは関係なく、注射の痛みからくるものという記載がありますが、これはおそらく、事実ではないと私は思っています。
というのは、接種直後からではなく、接種後数週間たってから症状が悪化している例が少なくないからです。

その一方で、ワクチンの効果の程ですが、できて間のないワクチンなので、実際にどの程度子宮頸がんを防ぐ効果があるのかは、未知数です。

そんなこんなで、とにかく「わけがわからない」状態のため、私の意見としては、もうちょっと何かわかるまで待った方が良い、と考えています。
外来で相談された方にも、そのようにお話させていただいています。

ただし、私の意見は、子宮頸がんを診ることはまずない、一人の小児科医の意見です。例えば日常的に子宮頸がんに苦しむ方を診ている婦人科の先生は、また違った意見を持たれているかもしれません。
そういうわけで、あくまでも私の意見としては上記のように考えていますが、最終的にはいろいろな情報や意見を集めていただいて、メリット、デメリットを考えた上で、お子さん本人と保護者の方に判断していただくしかありません。
ずるいように聞こえるかもしれませんが、どうかご理解下さい。


注射は「罰」じゃないですよ

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年7月28日

診察室で、「おとなしくしてなかったら先生に注射をうってもらうよ」とお子さんを戒めている保護者の方の声を聞くことがあります。
あるいは、注射をする時に、暴れながら「ごめんなさい、ごめんなさい」と謝っている子供さんをみると、もしかしたら、お家で「悪いことしたら病院で注射してもらうからね」などと普段言われているのかもなぁ、と思うことがあります。
当たり前の話ですが、注射は「罰」ではありません。
是非、お子さんには、予防接種が自分の健康を守るための大切な手段であることを、伝えてください。
血液検査や点滴が必要な場合も、痛いことだけどあなたを守るために・病気を治すためにどうしても必要なことなんだよ、ということを繰り返し説明してあげて下さい。
がんばって、泣かないで注射や点滴を受けることができたら、たくさんほめてあげてください。泣いてしまっても、がんばって注射したことをほめてあげて下さい。

また、注射をすることを隠して・「注射はしない」と嘘をついて、お子さんを連れてくる親御さんもよくみかけます。
注射があることを事前に説明すると、病院に来るのを嫌がって大変、という親御さんの気持ちもよくわかります。
しかし、黙って、あるいは「痛いことはしないよ」「何も嫌なことせえへんよ」と嘘をついて連れてきて、突然注射をすれば、それはさらに恐怖心を煽ります。
そういうことを繰り返すと、だんだん、大人の言うことを信じなくなります。「子供だまし」という言葉がありますが、子供は大人と違って、「これは必要な嘘だ」とか「善意の嘘だ」などと考えることができませんので、「騙された」ということになります。
実際には、子育ての様々な場面の中で、「嘘も方便」ということも、たまに必要なこともあるかもしれません。しかし、基本的には子どもに嘘をついたりごまかすことは、やめていきましょう。

お子さんに、嫌なことを説明してちゃんと説得するのは根気がいります。1回や2回で聞き分けるお子さんは殆どいません。
しかし、丁寧に、お子さんに語りかければ、すぐには無理でも、近いうちに、必ず、お父さんやお母さんの気持ちは伝わります。


くる病

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年7月20日

最近、「ビタミンD欠乏性くる病」に罹る乳幼児が増えているという報告を読みました。栄養不足を象徴するような昔の病気が、なぜ食生活豊かな今、また出てきたのでしょうか。
その背景には、食生活の偏りと、日光照射の不足があるようです。

ビタミンDは、カルシウムの体内への取り込みを手伝う働きをします。
ビタミンDが不足すると、カルシウムを小腸から吸収することができなくなり、骨の石灰化が障害されます。
石灰化されない骨は脆くなり、体重がかかると曲がってしまいます(O脚)。
また、骨が伸びなくなるため身長の増加が鈍り、低身長の原因にもなります。

ビタミンDには二つの供給源があります。
一つは、食事などから栄養として摂取すること。
もう一つは、紫外線に当たることにより皮膚で合成することです。
近年の育児法ではどちらも不足しやすいと言えます。

母乳は乳児にとって最もすぐれた栄養法ですが、ビタミンDの含有量は不足しています。完全母乳栄養では、所用量の約半分しか満たしません。その不足を補うのが毎日の日光浴です。日光の紫外線を浴びると、皮膚でビタミンDが合成されます。一日に10~15分間、通常の服装で柔らかな日射しに当たれば、ビタミンDの合成に十分です。
なお、ミルク(人工乳)には十分量のビタミンDが添加されているため、完全人工栄養の場合には、ビタミンD不足は生じません。

完全母乳栄養はビタミンD不足になりやすいですが、母乳栄養だからというだけで、ビタミンD欠乏性くる病を生じるわけではありません。
くる病に罹った子どもの背景には、もともと母乳栄養で、紫外線に全く当たっていない場合や、食物アレルギーのために(または食物アレルギーの発症予防のためと称して)食品を極端に制限している場合、あるいは母親が偏った食生活を送っている場合など、複数の要因が重なっています。
母乳がすぐれているのはあくまで母体が健全であることが前提条件ですから、極端に痩せていたり偏食のきついお母さんからの母乳はビタミンD含有量がさらに少なく、子どものビタミンD欠乏の原因となります。

紫外線の害が声高に叫ばれ始めた1990年代から、世界的にくる病の発生が増えています。日本でも、以前は母子手帳にも日光浴の奨励が明記されていましたが、1998年頃以降は「外気浴」の言葉に置き換えられました。
昨今では、乳児用の日焼け止めクリームなど紫外線対策の商品が氾濫しています。
過度の紫外線が皮膚癌や皮膚老化につながることは確かですが、適度の日光(日焼けするより少ない量)まで恐れる必要はなく、むしろ紫外線を避けすぎることも良くない、ということです。

母乳栄養でビタミンDが不足し、離乳食でも不足分を取り戻せないと、くる病の危険性が増します。ビタミンDは、魚、卵黄、きのこ類、バターなどの食品に豊富に含まれています。卵、シラス、カジキマグロ、サケ、カツオ、ツナ、干し椎茸などを活用すると良いでしょう。
アトピー性皮膚炎や食物アレルギーで食事制限(除去)をしなければならない場合、ビタミンDが不足しないための工夫を考えますので、ぜひ受診して相談して下さい。

くる病だけでなく、食事制限により栄養バランスが狂って病気になることがありますので、決して親御さんの思い込みだけで「念のために」などと食事制限をしないで下さいね。

 


チャイルドシートを使いましょう

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年7月19日

私は自動車の運転が好きなのですが、自動車を運転していると、ときどき、とても怖い光景を目にします。
助手席で、どうみても立っている子供や、後部座席の床に立ったり前に乗り出して、 運転席と助手席の間から前をのぞいていたり。
ひどい場合は、運転席や助手席で赤ちゃんを抱っこ・・・

6歳未満のこどもにチャイルドシートを使用することは、法律で決まっています。
ところが、JAFの調査では、日本でチャイルドシートを使用しているのは、6歳未満の子供の6割程度だそうです。
特に、乳児用シートを卒業したあたりから、使用率が低下するようです。

赤ちゃんの間は、チャイルドシートに寝かせる、あるいは座らせるのは、それほど大変ではないですよね。
でも、少し大きくなると、嫌がって泣いたり、自分で抜け出したり、暴れたりすることもあるかもしれないです。
泣くから・嫌がるから可哀想? チャイルドシートなんか使わなくても大丈夫?
お母さんが抱っこしていれば大丈夫?
決してそんなことはありません。チャイルドシートを使わないのは、とても危ないのです。

私が救急病院に勤務していた時には、いろいろな事故の症例を見てきました。
チャイルドシートを使っていれば助かった、あるいは軽傷で済んだであろう、たくさんの子供達。
フロントガラスに激突して頭蓋骨骨折した子もいました。割れたフロントガラスが目に刺さって失明した子もいました。体ごと窓から放り出された子もいました。
実は、法律でチャイルドシートの使用を義務化することになったのは、医療現場からの働きかけでした。「チャイルドシートさえ使用していれば助かったのに・・」という思いから、多くの子供達の命を救うために法制化を政府に働きかけたのでした。しかし、今でも残念ながら、先進国の中では日本のチャイルドシートの使用率はかなり低いです。

お母さんの膝に抱かれていても、衝突や急ブレーキの衝撃の際にかかる力は数百kgにもなります。とても人間の腕で支えきれる力ではありません。それどころか、お母さんの体が子どもの体を押しつぶすことさえあります。
自分の膝に子供を抱くことがチャイルドシートと同じくらい安全だと考えている人は案外多いのですが、それははっきりと間違っています。専門家は「膝に載せる」位置を「子供をクラッシュする(つぶす)」位置と呼んでいるぐらいです。

安全運転だから、事故に合わないから、大丈夫?
いえいえ、いくら注意していても、「もらい事故」はありえます。周りの車は、運転が上手な人ばかりじゃないです。お酒を飲んで運転するような人さえ、世の中にはいます。自分がいくら気をつけていても、交通事故は防げないことがあります。

もしもの事故の時に、いくら相手が全面的に悪かったとしても、それと自分の子供の命を守ることは全く別の問題です。

子供を不幸な事故から守るために、チャイルドシートは必ずつけましょう。
子供が生まれて、病院から子供を家に連れて帰る時からチャイルドシートを使用し始めることが重要です。嫌がろうが泣こうが喚こうが暴れようが、一度の例外もなく必ず使うということが何よりも大切です。また、正しくつけることも大切です。
親の意識改革がまず大切です。
何が「可哀想」かをしっかりと認識して、「子供のために」チャイルドシートを正しく使用して下さいね。

 


熱中症

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年7月12日

熱中症とは、気温や湿度が高い環境によって、体温調節がうまくできなくなり、異常が起こる病気です。
そのため、熱中症は真夏だけではなく、急に気温や湿度が高くなる6月下旬ぐらいから、危険度が増してきます。
今のように、急に蒸し暑くなった時は、特に注意が必要です。
新生児や乳児・幼児期の小さなお子さんは体温の調節機能が未発達なため、熱中症になりやすいです。

熱中症の予防のためには、
・水分をこまめに補給しましょう。できれば塩分も補給できるイオン飲料が良いです。
・帽子をかぶり、風通しのよい涼しい服装をしましょう。
・背の低い子どもや、ベビーカーに乗っている赤ちゃんは、大人よりも地面からの照り返しを受けやすいため、注意が必要です。
・たとえ短時間でも自動車の車内にお子さんを残したまま離れるのはたいへん危険です。エアコンをつけていても、数分間だけでも、お子さんだけ車内に残すことは絶対にやめてください。

熱中症が疑われる症状は、
・顔がほてっている
・体が熱い
・汗が少なく、皮膚が乾燥気味
・泣き声が弱々しい、泣かない
・動かない
・おしっこが出ていない
・ぐったりしている
・おっぱい、ミルクを飲まない
・吐いている
・頭痛を訴える

上記のような症状が見られた場合、できるだけ涼しいところへ移動し、水をかけるなどして体を冷やして下さい。
症状が回復しない場合や、意識障害がある(ボーっとしている)場合、何度も吐いている場合はすぐに受診して下さい。
意識がない場合や、けいれんを起こした場合などは、すぐに救急車を呼んで下さい。

「日本体育協会」というところが、熱中症について詳しくわかりやすく書いてくれていますので、それもぜひ参考にして下さい。
http://www.japan-sports.or.jp/tabid/523/Default.aspx


パンケーキ症候群

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年7月5日

パンケーキ症候群という、アレルギーが原因の病気があります。

これは、保管の仕方が良くないことなどが原因で、ダニが繁殖してしまった小麦粉やミックス粉などを食べてしまい、その結果アレルギー症状が引き起こされる病気のことです。

小麦粉で起きることが多いですが、これは、小麦粉だけでなく、パン粉や砂糖、チョコレートなどでも起きた報告があります。

日本ではお好み焼きで起きることが多いと言われており、私自身が診療した経験でも、開封後数ヶ月たっている(常温保存していた)お好み焼き粉でお好み焼きを作って食べた後、「アナフィラキシー」の症状を起こして受診したお子さんを診たことがあります。

もちろん火を通すことでダニは死滅しますが、ダニの死骸は残ったままですので、食べてしまうとよく火が通っていてもアレルギー反応は起きます。

これを予防するために、一番大事なことは、ダニが入り込まないように、ちゃんと密閉して保存すること、小麦粉やお好み焼き粉などは開封後はできるだけ早く使い切ることです。
また、ダニの繁殖を抑えるために、冷蔵庫で保存するのも良いでしょう。

もし、すでに常温で長期間保存してしまった粉類があったら、ちょっともったいないかもしれませんが、特にダニやハウスダストのアレルギーを持つ人がいる家庭では、思い切って捨ててしまう方が良いでしょう。

 


手足口病

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年7月2日

最近、当院を受診される方に、手足口病が多いです。つまり、当院の周辺で流行っているようです。
手足口病は、口の中や、手足などに発疹が出る病気で、ウイルスの感染によって起こる感染症です。夏に流行することが多く、いわゆる「夏カゼ」の一種です。
病気の原因となるウイルスは、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなど、複数のウイルスが確認されています。

症状は、口の中、手、足などに、直径2~3mm程度の、水疱を伴う発疹ができます。熱は出る場合も出ない場合もあります。高い場合は一時的に39度程度になる場合もありますが、高熱が続くことはあまりありません。通常は数日間から1週間程度のうちに治ってしまう、「たいしたことのない」病気です。
しかし、ごく稀にですが、髄膜炎・脳炎や、小脳失調症、心筋炎などの重篤な合併症を引き起こすことがあります。そのため、手足口病にかかった場合、経過を注意深く観察し、合併症に注意をする必要があります。

治療は、特効薬はなく、特別な治療方法はありません。対症療法のみになります。つまり、解熱剤や、感冒症状がある場合はいわゆる風邪薬(咳・鼻汁などの薬)などを使いながら、脱水に気をつけて、水分摂取をこまめに行い、食べられそうなものを食べて、よく休むことが治療です。基本的には軽い症状の病気ですから、闇雲に恐れる必要はありません。
しかし、上にも書きましたように、稀に重篤な合併症などが起こる場合がありますから、経過観察をしっかりと行うことが必要です。
高熱が2日以上続く、何度も嘔吐する、頭を痛がる、視線が合わない、呼びかけに答えない(ぼーっとしている)、呼吸が速くて息苦しそう、水分が取れずにおしっこがでない、ぐったりとしている、などの症状がみられた場合は、すぐに受診して下さい。

感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染(便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染することです)が知られています。
乳幼児が集団生活をしている保育園や幼稚園などでは特に流行しやすい病気です。
出席停止の基準は法律などで明確な基準があるわけではなく、「発熱や摂食障害(食欲低下)がある間は出席停止」とするのが一般的です。当院でもそのような基準で登園・登校許可書を書いています。
うちの子にうつったら困るからちゃんと治るまで(うつらなくなるまで)休ませて欲しいわ、と思われる保護者の方も多いことと思われますが、実は、この病気でのウイルス排泄は症状が終息してからも長い場合は1ヶ月から2ヶ月にわたって続くことが分かっています。そのため、他の子供への感染の可能性だけを理由に登校(園)を停止する積極的な意味は無い(2ヶ月も休ませるのは現実的ではない)と考えられています。
それならブツブツがあっても本人が元気だったら行って良いですよ、ということになっているわけです。
ただ、発疹(ブツブツ)というものは見た目にわかりやすいので嫌がられますし、また「○○ちゃんからうつされた」と後で陰口を叩かれないように、発疹が目立つ間はお休みした方が余計なトラブルにはなりにくい、と個人的には感じています。
(これはあくまで私、院長の個人的な考えです)

 


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