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ブログ記事

チャイルドシートを使いましょう

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年7月19日

私は自動車の運転が好きなのですが、自動車を運転していると、ときどき、とても怖い光景を目にします。
助手席で、どうみても立っている子供や、後部座席の床に立ったり前に乗り出して、 運転席と助手席の間から前をのぞいていたり。
ひどい場合は、運転席や助手席で赤ちゃんを抱っこ・・・

6歳未満のこどもにチャイルドシートを使用することは、法律で決まっています。
ところが、JAFの調査では、日本でチャイルドシートを使用しているのは、6歳未満の子供の6割程度だそうです。
特に、乳児用シートを卒業したあたりから、使用率が低下するようです。

赤ちゃんの間は、チャイルドシートに寝かせる、あるいは座らせるのは、それほど大変ではないですよね。
でも、少し大きくなると、嫌がって泣いたり、自分で抜け出したり、暴れたりすることもあるかもしれないです。
泣くから・嫌がるから可哀想? チャイルドシートなんか使わなくても大丈夫?
お母さんが抱っこしていれば大丈夫?
決してそんなことはありません。チャイルドシートを使わないのは、とても危ないのです。

私が救急病院に勤務していた時には、いろいろな事故の症例を見てきました。
チャイルドシートを使っていれば助かった、あるいは軽傷で済んだであろう、たくさんの子供達。
フロントガラスに激突して頭蓋骨骨折した子もいました。割れたフロントガラスが目に刺さって失明した子もいました。体ごと窓から放り出された子もいました。
実は、法律でチャイルドシートの使用を義務化することになったのは、医療現場からの働きかけでした。「チャイルドシートさえ使用していれば助かったのに・・」という思いから、多くの子供達の命を救うために法制化を政府に働きかけたのでした。しかし、今でも残念ながら、先進国の中では日本のチャイルドシートの使用率はかなり低いです。

お母さんの膝に抱かれていても、衝突や急ブレーキの衝撃の際にかかる力は数百kgにもなります。とても人間の腕で支えきれる力ではありません。それどころか、お母さんの体が子どもの体を押しつぶすことさえあります。
自分の膝に子供を抱くことがチャイルドシートと同じくらい安全だと考えている人は案外多いのですが、それははっきりと間違っています。専門家は「膝に載せる」位置を「子供をクラッシュする(つぶす)」位置と呼んでいるぐらいです。

安全運転だから、事故に合わないから、大丈夫?
いえいえ、いくら注意していても、「もらい事故」はありえます。周りの車は、運転が上手な人ばかりじゃないです。お酒を飲んで運転するような人さえ、世の中にはいます。自分がいくら気をつけていても、交通事故は防げないことがあります。

もしもの事故の時に、いくら相手が全面的に悪かったとしても、それと自分の子供の命を守ることは全く別の問題です。

子供を不幸な事故から守るために、チャイルドシートは必ずつけましょう。
子供が生まれて、病院から子供を家に連れて帰る時からチャイルドシートを使用し始めることが重要です。嫌がろうが泣こうが喚こうが暴れようが、一度の例外もなく必ず使うということが何よりも大切です。また、正しくつけることも大切です。
親の意識改革がまず大切です。
何が「可哀想」かをしっかりと認識して、「子供のために」チャイルドシートを正しく使用して下さいね。

 


熱中症

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年7月12日

熱中症とは、気温や湿度が高い環境によって、体温調節がうまくできなくなり、異常が起こる病気です。
そのため、熱中症は真夏だけではなく、急に気温や湿度が高くなる6月下旬ぐらいから、危険度が増してきます。
今のように、急に蒸し暑くなった時は、特に注意が必要です。
新生児や乳児・幼児期の小さなお子さんは体温の調節機能が未発達なため、熱中症になりやすいです。

熱中症の予防のためには、
・水分をこまめに補給しましょう。できれば塩分も補給できるイオン飲料が良いです。
・帽子をかぶり、風通しのよい涼しい服装をしましょう。
・背の低い子どもや、ベビーカーに乗っている赤ちゃんは、大人よりも地面からの照り返しを受けやすいため、注意が必要です。
・たとえ短時間でも自動車の車内にお子さんを残したまま離れるのはたいへん危険です。エアコンをつけていても、数分間だけでも、お子さんだけ車内に残すことは絶対にやめてください。

熱中症が疑われる症状は、
・顔がほてっている
・体が熱い
・汗が少なく、皮膚が乾燥気味
・泣き声が弱々しい、泣かない
・動かない
・おしっこが出ていない
・ぐったりしている
・おっぱい、ミルクを飲まない
・吐いている
・頭痛を訴える

上記のような症状が見られた場合、できるだけ涼しいところへ移動し、水をかけるなどして体を冷やして下さい。
症状が回復しない場合や、意識障害がある(ボーっとしている)場合、何度も吐いている場合はすぐに受診して下さい。
意識がない場合や、けいれんを起こした場合などは、すぐに救急車を呼んで下さい。

「日本体育協会」というところが、熱中症について詳しくわかりやすく書いてくれていますので、それもぜひ参考にして下さい。
http://www.japan-sports.or.jp/tabid/523/Default.aspx


パンケーキ症候群

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年7月5日

パンケーキ症候群という、アレルギーが原因の病気があります。

これは、保管の仕方が良くないことなどが原因で、ダニが繁殖してしまった小麦粉やミックス粉などを食べてしまい、その結果アレルギー症状が引き起こされる病気のことです。

小麦粉で起きることが多いですが、これは、小麦粉だけでなく、パン粉や砂糖、チョコレートなどでも起きた報告があります。

日本ではお好み焼きで起きることが多いと言われており、私自身が診療した経験でも、開封後数ヶ月たっている(常温保存していた)お好み焼き粉でお好み焼きを作って食べた後、「アナフィラキシー」の症状を起こして受診したお子さんを診たことがあります。

もちろん火を通すことでダニは死滅しますが、ダニの死骸は残ったままですので、食べてしまうとよく火が通っていてもアレルギー反応は起きます。

これを予防するために、一番大事なことは、ダニが入り込まないように、ちゃんと密閉して保存すること、小麦粉やお好み焼き粉などは開封後はできるだけ早く使い切ることです。
また、ダニの繁殖を抑えるために、冷蔵庫で保存するのも良いでしょう。

もし、すでに常温で長期間保存してしまった粉類があったら、ちょっともったいないかもしれませんが、特にダニやハウスダストのアレルギーを持つ人がいる家庭では、思い切って捨ててしまう方が良いでしょう。

 


手足口病

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年7月2日

最近、当院を受診される方に、手足口病が多いです。つまり、当院の周辺で流行っているようです。
手足口病は、口の中や、手足などに発疹が出る病気で、ウイルスの感染によって起こる感染症です。夏に流行することが多く、いわゆる「夏カゼ」の一種です。
病気の原因となるウイルスは、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなど、複数のウイルスが確認されています。

症状は、口の中、手、足などに、直径2~3mm程度の、水疱を伴う発疹ができます。熱は出る場合も出ない場合もあります。高い場合は一時的に39度程度になる場合もありますが、高熱が続くことはあまりありません。通常は数日間から1週間程度のうちに治ってしまう、「たいしたことのない」病気です。
しかし、ごく稀にですが、髄膜炎・脳炎や、小脳失調症、心筋炎などの重篤な合併症を引き起こすことがあります。そのため、手足口病にかかった場合、経過を注意深く観察し、合併症に注意をする必要があります。

治療は、特効薬はなく、特別な治療方法はありません。対症療法のみになります。つまり、解熱剤や、感冒症状がある場合はいわゆる風邪薬(咳・鼻汁などの薬)などを使いながら、脱水に気をつけて、水分摂取をこまめに行い、食べられそうなものを食べて、よく休むことが治療です。基本的には軽い症状の病気ですから、闇雲に恐れる必要はありません。
しかし、上にも書きましたように、稀に重篤な合併症などが起こる場合がありますから、経過観察をしっかりと行うことが必要です。
高熱が2日以上続く、何度も嘔吐する、頭を痛がる、視線が合わない、呼びかけに答えない(ぼーっとしている)、呼吸が速くて息苦しそう、水分が取れずにおしっこがでない、ぐったりとしている、などの症状がみられた場合は、すぐに受診して下さい。

感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染(便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染することです)が知られています。
乳幼児が集団生活をしている保育園や幼稚園などでは特に流行しやすい病気です。
出席停止の基準は法律などで明確な基準があるわけではなく、「発熱や摂食障害(食欲低下)がある間は出席停止」とするのが一般的です。当院でもそのような基準で登園・登校許可書を書いています。
うちの子にうつったら困るからちゃんと治るまで(うつらなくなるまで)休ませて欲しいわ、と思われる保護者の方も多いことと思われますが、実は、この病気でのウイルス排泄は症状が終息してからも長い場合は1ヶ月から2ヶ月にわたって続くことが分かっています。そのため、他の子供への感染の可能性だけを理由に登校(園)を停止する積極的な意味は無い(2ヶ月も休ませるのは現実的ではない)と考えられています。
それならブツブツがあっても本人が元気だったら行って良いですよ、ということになっているわけです。
ただ、発疹(ブツブツ)というものは見た目にわかりやすいので嫌がられますし、また「○○ちゃんからうつされた」と後で陰口を叩かれないように、発疹が目立つ間はお休みした方が余計なトラブルにはなりにくい、と個人的には感じています。
(これはあくまで私、院長の個人的な考えです)

 


みずいぼ

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年6月28日

「水いぼ」とは、正式には伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)と呼ばれる伝染性の皮膚の病気です。
ポックスウイルスというウイルスが皮膚に感染することにより発生します。
水いぼ自体は通常は痛みや痒みのあるものではありませんが、時々、周囲の皮膚に痒い湿疹を生じる「軟属腫反応」というものにより、かゆみを伴うことがあります。
また、かきやぶることで、細菌感染を起こして、膿痂疹(とびひ)になったりすることがあります。

水いぼは、平均すると数か月で自然治癒します。
しかし、自然治癒までの期間はまちまちで、何もしなくても1ヶ月後に消えていることもありますし、1年以上かかることもあります。
長期的には必ず治癒します。
当院は、基本的には「何もしない(みずいぼを取らない)」という方針です。
ヨクイニンという漢方薬が、即効性はないですが、ある程度の効果がありますので、のめるお子さんには処方します。

「保育園や幼稚園、スイミングスクールなどが、水いぼがあるとプールに入れてくれない」場合があります。
日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会から
「プールの水ではうつりませんので、プールに入っても構いません。ただし、タオル、浮輪、ビート板などを介してうつることがありますから、これらを共用することはできるだけ避けて下さい。プールの後はシャワーで肌をきれいに洗いましょう。」
という統一見解が出ています。
上記の見解が書かれた用紙は、インターネットからダウンロードもできますし、当院にもダウンロードしてプリントしたものを用意していますので、必要な方にはお渡しできます。

どうしても早く治したいからと、本人や家族が望む場合には、ピンセットで水いぼを取る治療がありますので、そういった治療を望まれる場合には皮膚科を紹介させて頂きます。

水いぼができるお子さんは、アトピー性皮膚炎や湿疹、乾燥肌を伴うことが非常に多いです。
乾燥状態や皮膚炎・湿疹がある皮膚では、何回、水いぼを除去しても、再発を繰り返してしまいます。
ですので、水いぼを取ることよりも、乾燥肌や皮膚炎・湿疹を改善させることが大切です。


口腔アレルギー症候群

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年6月27日

「口腔アレルギー症候群」というものがあります。

最近は果物や野菜のアレルギーが増えてきています。
果物・野菜などの食物を食べると、直接触れたくちびるや舌、のどの奥がかゆくなったり、腫れたりします。これを「口腔アレルギー症候群」と言います。
ほとんどが、口や口腔内、のど、顔の症状だけで済みますが、ひどい場合は、じんましんが出たり、目や鼻の花粉様の症状や、吐き気、腹痛や下痢、気管支喘息の発作を起こしたり、最悪の場合はアナフィラキシーを起こし命に関わる場合もあります。
基本的には、原因となるものが粘膜に直接触れることで生じるアレルギー反応です。
原因となる果物・野菜はモモ、リンゴ、ナシ、サクランボ、イチゴを中心にバラ科の果物、メロン、スイカなどウリ科の植物、キウイ、バナナ、トマト、ジャガイモなど、かなり多くの果物や野菜などが原因となります。
花粉と交差抗原性(アレルギーの原因となる物質が共通して含まれていること)がある食品によって起こることが多いため、年長児や大人では花粉症を発症した後に口腔アレルギー症候群を発症する場合が多いと考えられています。
また、小児では、多食することで、果物にアレルギーを起こす可能性も考えられています。

口腔アレルギー症候群は1990年代ころから報告が増えはじめました。
まだ解明されていないことも多く、効果的な予防・治療はまだ確立していません。
現状では、原因が明らかな果物や野菜は控えること、もしも食べる場合は加熱調理すること、また口にして違和感を感じたときはすぐに出してうがいをし、その食物は食べないように心がることが必要です。
症状があった場合、その果物や野菜の仲間は頭に入れておくことが望まれます。例えばリンゴを食べて反応があった人は、同じバラ科のモモやナシ、サクランボなどでも反応することがあります。
上にも書きましたようにほとんどが軽症で済むので、怖がりすぎるのは良くないですが、気をつけるにこしたことはありません。
上記のような症状があった場合は、今後の対処も含めて、ぜひ受診して相談して下さい。


アンパンマンのマーチ

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年6月14日

今日は医療から離れたお話です。

子供達が、みんな必ず一度は大好きになると言っても過言ではない「アンパンマン」。

私はアンパンマンの主題歌の「アンパンマンのマーチ」が大好きで、深みのある良い歌詞だなぁと以前から思っていました。
この歌の作詞も、アンパンマンの作者である、やなせたかしさんです。

以前から大好きだったのですが、ごく最近、この歌には、特攻隊で亡くなったやなせさんの弟のことを書いたものだという説があることを知りました。

また、やなせさんご自身が、
「これはアンパンマンのテーマソングであり、ぼくの人生のテーマソングである」
と著書に記されています。

また、こうも語っておられます。

「ひとはひとを喜ばせることが一番うれしい。
ひとはみんな、よろこばせごっこをして生きています。
それが、このいかにもさびしげな人生のささやかなたのしみになります。」

そんな、やなせたかしさんのことを知ってから、この歌の歌詞を読んで、聞いて、思いを馳せると、ますます、深みと重み、やなせさんからの熱いメッセージを感じます。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「アンパンマンのマーチ」

作詞:やなせたかし

(著作権の制約により、アンパンマンのマーチの歌詞をブログに掲載する事が出来ませんので、歌詞提供サイトなどを参照してください)

 


なぜワクチンを接種するのか

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年6月6日

できるだけワクチンを打ちたくない、と言われる親御さんが、時々いらっしゃいます。

その気持ちは分からなくはありません。
ワクチンにもデメリット(副反応など)はあります。
しかし、ワクチンに限らず、医療行為というのは全て、メリットとデメリットを天秤にかけて、メリットが大きいと判断されるから行われます。

そもそも何故ワクチンを接種しなければならないのか。

そう質問をされたとき、私はこう答えます。
「子供を死なせないためです」「子供を守るためです」

簡単に言えば、命を守るためにワクチンを接種するのです。

逆に言えば、死なない病気ならばワクチンをうつ必要はないと思っています。
実際に、親御さんから質問された時、ロタワクチンについては「日本に住んでいる限りは、どっちでも良いワクチンかもしれませんね」とお答えするようにしています。
それは、ロタウイルスの感染によって子供が命を落とすことは、日本に住んでいる限りは「非常にまれ」だからです。(ゼロではありません)
子供を保育園に預けて働くお母さんにとっては、ロタワクチンをのんでいる方が「経済的に」損失が少ない可能性が高いです。
でも、言葉は悪いですが、それだけの話です。日本では、命に関わることは殆どありません。だから、特に強くはお勧めしていませんが、ロタウイルスの腸炎は長いと1週間以上吐き下しが続いて入院になることも多いので、命に関わらなくてもそんなしんどいのは嫌だと思うならのんだ方が良いです。というわけで、親御さんに判断してもらって良いと考えています。
乳児期の一定の時期をすぎるとのめないワクチンなので、迷うぐらいならのんでおいたらどうですか、ぐらいに考えています。
もう一つ、子宮頸がんのワクチンに関しては、まだ長期的なデータが少なく、メリット(どれぐらい子宮頸がんが予防できるか)とデメリット(副反応がどれぐらいあるか)がわかりづらいので、積極的にお勧めしていません。これも最終的には親御さんに判断してもらうしかないと思っています。

ロタと子宮頸がん以外のワクチンに関しては、私は積極的に接種をお勧めします。

ワクチンは「しんどい病気にかからなくするため」なんていう生易しい理由ではなく、「死なせないため」に接種するものだ、いうのが私の認識です。

ワクチンのある病気について説明しますと、

・ヒブ
ヒブとは、「ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型:Hib」という名前です。「インフルエンザ菌」という紛らわしい名前がついていますが、インフルエンザとは関係ありません。この菌は、重篤な細菌性髄膜炎や、急性喉頭蓋炎という、死んでしまったり後遺障害が残ったりする病気の原因菌です。

・肺炎球菌
肺炎だけでなく、細菌性髄膜炎などの死んでしまったり後遺障害が残ったりする病気を引き起こします。

・三種混合&ポリオ、あるいは四種混合
百日咳は今の日本でもありふれた病気です。1歳未満の乳児が感染すると呼吸停止を起こして死んでしまうことがあります。
ジフテリアは世界中でワクチンが普及したために患者数は激減していますが、ゼロではありません。かかると致死率が10%ぐらいです。非常に苦しみます。
破傷風は日本でも大人を含めて年間100件程度の発生があります。先進国での発生報告は多くはないですが、これはワクチンが普及しているせいです。発展途上国では正確な統計はないのですが、年間で数十万~100万程度の死亡数が推定されていて、その大多数が乳幼児です。
ポリオも世界的なワクチン接種で激減はしていますが、未だに常在国も存在します。死亡したり、命は助かっても麻痺が残ることが多い病気です。

・BCG(結核)
乳児が結核に感染すると高確率で結核性髄膜炎などの全身感染を引き起こします。非常に重篤で、死んだり後遺障害が残ることも多い病気です。
また、結核を患っている人は案外、多いです。乳児がどこで結核菌をもらってしまうかわかりません。

・B型肝炎
慢性肝炎を発症するといずれは肝硬変そして肝がんへ進展します。
また、幼少時に感染するとキャリアとなり他の人、特に愛する人に病気をうつしてしまう可能性が高くなります。
成人期に感染すると劇症肝炎を発症して死んでしまうことも多い病気です。

・MR
とくに麻疹は、かなりの頻度で脳炎や重篤な肺炎を引き起こします。死ぬことも多い病気です。
風疹は、妊娠中にかかってしまうと、お腹の中の赤ちゃんが死んだり重篤な障害をもって生まれたりします。

・水痘
あまり怖がられない水痘ですが、まれに脳炎を引き起こします。

・おたふく
おたふくには髄膜炎や脳炎の他、様々な合併症がありますが、中でも頻度が高くて厄介なのが難聴です。
この難聴は一生治りません。後遺障害として残ります。

・日本脳炎
読んで字のごとく、脳炎を起こします。
脳炎になれば死ぬか、助かっても後遺障害が残る可能性が高いです。

・インフルエンザ
風邪の一種ですが、重症化すると肺炎や脳炎・脳症、心筋炎などを引き起こします。
毎年多くの方が命を落としています。

・子宮頸がん
20~30代女性の患者・死者が急増しています。

以上、詳しくは、当院のホームページからもリンクを貼っています「KNOW☆VPD!」のサイトもぜひ読んでみて下さい。

死ぬ病気だからこそ、あるいは重い障害が残る病気だからこそ、必死でワクチンを開発するのです。また、政府や地方公共団体がどこも赤字で苦しんでいる中で、それでも公費で接種してくれるのです。

上で書きましたロタウイルスなどは、医療の整った日本ではまず死ぬことのない病気ですが、医療水準が低く衛生状態の悪い途上国では日々たくさんの乳幼児が命を落としています。

だからワクチンが開発されたのです。

繰返しになりますが、もう一度書きます。
何故ワクチンを接種しなければならないのか。
それは、子供の命を守るためです。

 


処方箋の期限にご注意

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年6月5日

今回は、処方箋の期限についてのお話です。

保険診療の処方箋には、有効期限があります。交付の日を含めて4日以内に保険薬局に提出すること、と定められています。
繰り返しますが、処方箋の期限は「交付の日を含めて4日」です。ということは、交付の日から3日後まで、ということになります。この日数には、土日祝日も含まれます。

その日の内に薬局に行けず、次の日に行こうと思っていたら忘れてしまったりする場合はあると思います。
また、金曜日に受診して、来週早々に取りに行こう!と思っていたとします。月曜日が祝日だったりすると、その処方箋の使用期限は切れてしまいますね。

期限が切れた場合、簡単に再発行できると思っておられる方が多いようなのですが、実はこれは、大変困ったことになるのです。

昔は、「疑義照会」といって、薬局から、電話で「期限切れの処方箋を持って来られていますが、期限を延長して良いですか?」と医療機関に問い合わせて、医療機関(主治医)が「良いですよ」と答えれば、有効な処方箋として調剤が出来る、という時代がありました。実はこの時代でも、本当は(保険のルール上は)ダメだったんですが、かなり大目に見てもらえていたわけです。
しかし、当たり前に期限切れの処方箋を薬局に持ってきて「電話してよ、延長できるんでしょ」という患者さんが増えたせいか、あるいは他に理由があるのかはわかりませんが、数年前に、明確に「それはダメです。正しく保険のルールを守りなさい」という通達が出されたため、処方箋の期限を延長することはできなくなりました。
「有効期限が切れた処方箋はただの紙である。その紙について疑義照会を行っても何の意味もない。」
「患者の利便を図るという名のもとに、脱法行為を行っている。」
というのが厚生労働省の見解らしいです。

ではどうするか、というお話ですが、「じゃあ病院・医院に行って再発行をしてもわらないといけないのか。めんどくさいな」というのが、患者さんが考える次のステップだと思います。
しかし実は、これもできません。
一度の保険診療で発行できる処方箋は1枚だけです。(薬の数が多くて処方箋の用紙に入りきらずに紙の枚数が2~3枚になることはありますが、それは1セットなので1枚と考えて下さい)
そう決まっていますので、診察をせずに「再発行」は、できません。

というわけで、また処方箋を発行するためには、「新たに受診」して、「あらためて(「再発行」ではなく、新しい診察に基づいて新しく)処方箋の交付を受ける」必要があります。それには当然、診察料もかかります。

そして、そこから先も、まだ厳しい話が続きます。保険のルールを厳格に適用すると、新しい処方箋の発行を受けるために、新しく診察を受け直したとしても、それは本来は保険診療としては認められない可能性があるのです。
認められるか認められないかは実は保険のルール上、明確な規定はないのですが、かなり黒に近いグレーであることは確かです。
病状が変化したから再度診察を受けるのは全く問題ありませんが、「処方箋の期限が切れたから新しい処方箋が欲しい」というのは本来の保険診療のルールからは逸脱している、ということです。
ですから、保険診療として認められません、と審査で判断されても文句を言えません。

以上から、「絶対に法的に問題のない方法」は、「自費で診察を受けて、自費で新しい処方箋の交付を受けて、薬代も全て自費で支払う」ということになります。それなら全く問題ありません。ただし大変高額になります。

長々と書いてしまいましたが、保険診療の場合の処方箋の期限切れというのは、上記のように様々な問題を抱えているため、我々医療機関も薬局も、そして保険の審査をする人達も、大変な思いをすることになります。
保険診療というのは、様々なルールが存在して、その中で行われているものだからです。7割あるいはそれ以上を公費で出してもらうのですから、ルールに縛られるのはやむを得ない、とも言えます。
処方箋を交付されたら、可能な限り速やかに、保険薬局に提出して下さいね。

参考までに説明しておきますと、有効期限の「4日間」というのは、あくまで、保険薬局に提出するまでの期間ですので、とりあえず薬局に処方箋を出しておいて、数日後に薬を受け取りに行く、ということは(薬局さえそれで良いと認めてくれれば)問題ありません。


開院から一ヶ月

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年6月1日

5月1日の開院から、ちょうど、1ヶ月がたちました。
今日から2ヶ月目に入ります。あっという間の1ヶ月でしたが、既にたくさんの患者さんに来て頂きました。
それだけたくさんの方に期待していただいているということを肌で感じ、その期待にしっかり応えていかねば、と身が引き締まる思いです。

開業を考え始めてから、今まで、本当にたくさんの方に助けていただき、力を貸していただきました。その中で、とても大きな縁、不思議な縁を感じることも、何度もありました。ここで文字にして書いてしまうと、読んだ人は「マンガや小説じゃないんだから」「それはできすぎだよ」と感じるだろうな、というようなお話もあります。
昔からずっとお世話になっている方、意外なところで意外な繋がりがあったり思いがけずサポートしていただいた方・・・
たくさんの方にサポートしていただいていること、たくさんのご縁に支えられていること、決して一人ではないことを常に意識して、これからも人と人とのご縁を大切にしながら、医院運営を行い、スタッフと力を合わせて、皆様に愛される、暖かくてレベルの高い医療を提供するクリニックにしていきます。
今後ともよろしくお願い致します。

 


喘息の診断について(2)

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年5月24日

今日も、喘息の診断のお話の続きです。

気管支喘息の診断は、疑わしい症状・徴候の確認と除外診断から行います。
喘息による症状は特に夜間や明け方に起きやすいという特徴があります。
つまり、夜、特に寝ている間に咳き込みあるいはゼーゼー・呼吸困難が出やすいのが特徴です。
また、前回も書きましたように、症状が(無症状の時期を挟んで)繰り返すことも特徴です。
さらに、埃や煙を吸い込む、風邪をひく、痛み止めを服用する、運動する、季節や気候の変化、大笑いや大泣きなど、様々な原因により咳こみや呼吸困難などの症状が引き起こされたり悪化することも、喘息を疑わせる有力な根拠となります。

典型的な症状が認められて、かつ、症状が他の病気によるものではないことがはっきりすれば、喘息と診断されます。
他の病気の鑑別のためには、呼吸機能検査や胸部レントゲン撮影、血液検査などの検査を必要に応じて行います。
喘息の呼吸困難の特徴は、息を吐こうとするときに気管支が狭くなり、スムーズに吐けないことですが、呼吸困難の性質と程度は、呼吸機能検査をすればわかります。
息を最大に吸った状態から一気に吐き切る「最大努力呼気」をしてもらい、最初の1秒間でどれくらいの絶対量を吐くことができるか(1秒量)や、吐き出した量全体に対する最初の1秒間で吐き出した割合(1秒率)を指標にします。さらに気管支喘息では、β2刺激薬と呼ばれる気管支拡張薬を吸入すると1秒量が吸う前と比べて改善することが特徴的で、これを「気道の可逆性」と呼んでいます。可逆性が認められたということは、本来開いているべき気管支が十分に拡張していないことを意味しています。
呼吸機能検査の問題点は、普通に息をしたり、思いっきり息を吐いたりなど、指示通りに上手に息を吸ったり吐いたりできないと、正確なデータが得られません。目安としては、小学生ぐらいになれば、できるお子さんが増えてきますが、未就学の小さなお子さんには難しい検査です。

アレルギーと喘息との関係ですが、喘息は、明らかにアレルギーの関与が認められるアレルギー型(別名アトピー型)と、関与が明らかでない非アレルギー型(別名感染型)とに分けることがあります。花粉症やアトピー性皮膚炎などの他のアレルギー疾患があったり、血液検査をすると例えばハウスダストやダニ、カビ、ペットなどに対するIgE抗体が見つかったり、あるいは家族にアレルギー疾患があって、喘息の発症にアレルギーの関与が強そうな場合にアレルギー型・アトピー型に分類します。
わが国では気管支喘息の6,7割はアトピー型で、特に幼少期に発症する喘息の9割程度はこのタイプです。アレルギーの関与が強いことを「アトピー素因がある」という表現をすることもあります。

ゼーゼーあるいは呼吸困難がある状態で受診された場合、外来でβ2刺激薬と呼ばれる気管支拡張薬を吸入するとゼーゼーや呼吸困難がなくなったり軽くなったりすることが確認できたら、喘息と診断する非常に有力な根拠となります。


喘息の診断について(1)

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年5月19日

今日は喘息という病気の診断について書きます。

赤ちゃんや小さい子どもは、かぜをひいた時などにゼーゼーすることが、よくあります。

小児喘息はゼーゼーする病気です。しかし、赤ちゃんがゼーゼーしただけではすぐに「喘息」とは診断しません。それは、赤ちゃんがゼーゼーする病気には、喘息以外にも、色々な病気があるからです。

喘息の診断・治療ガイドラインでは、喘息の診断の目安は「呼気性喘鳴を3回以上繰り返す」こととされています。

呼気性喘鳴(こきせい ぜんめい)とは、息をはいている時にゼーゼー・ヒューヒュー音がなることを言います。
「ゼーゼー・ヒューヒュー」する時、つまり喘鳴がある時は、気道(空気の通り道)のどこかで、空気の流れを妨げているものがあります。どこで空気の流れが悪くなっているのかによって音の出方が違うので、喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー)を、呼気性喘鳴と吸気性喘鳴の2種類に分類します。

呼気性喘鳴は、主に息を吐く時に聞こえる喘鳴で、下気道の空気の流れが悪い場合に認められます。具体的な病気としては、気管支炎や細気管支炎、喘息などです。

吸気性喘鳴は、主に息を吸う時に聞こえる喘鳴で、上気道での空気の流れが悪い場合に認められます。具体的には、鼻水が多い時や、鼻の粘膜が腫れている時、クループ・喉頭炎など喉が腫れている時などです。

その、呼気性喘鳴ですが、「呼気性喘鳴を3回以上繰り返す」というのは、1回目の呼気性喘鳴を認めた後、完全に治って無症状の時期がしばらく続いてから、次に呼気性喘鳴を認めた時に2回目と数えます。
例えば、かぜにかかった時に、ゼーゼーしていて、はじめて「呼気性喘鳴があります」と言われたとします。その翌日もゼーゼーしていても、それは2回目の呼気性喘鳴とは数えません。そのかぜがすっかり治って、少なくとも一週間以上ぐらいはたってから、再び「呼気性喘鳴があります」といわれた時を、2回目と数えます。
3回以上の呼気性喘鳴を認めれば、喘息である可能性が高いと考えられます。

 


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