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ブログ記事

口腔アレルギー症候群

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年6月27日

「口腔アレルギー症候群」というものがあります。

最近は果物や野菜のアレルギーが増えてきています。
果物・野菜などの食物を食べると、直接触れたくちびるや舌、のどの奥がかゆくなったり、腫れたりします。これを「口腔アレルギー症候群」と言います。
ほとんどが、口や口腔内、のど、顔の症状だけで済みますが、ひどい場合は、じんましんが出たり、目や鼻の花粉様の症状や、吐き気、腹痛や下痢、気管支喘息の発作を起こしたり、最悪の場合はアナフィラキシーを起こし命に関わる場合もあります。
基本的には、原因となるものが粘膜に直接触れることで生じるアレルギー反応です。
原因となる果物・野菜はモモ、リンゴ、ナシ、サクランボ、イチゴを中心にバラ科の果物、メロン、スイカなどウリ科の植物、キウイ、バナナ、トマト、ジャガイモなど、かなり多くの果物や野菜などが原因となります。
花粉と交差抗原性(アレルギーの原因となる物質が共通して含まれていること)がある食品によって起こることが多いため、年長児や大人では花粉症を発症した後に口腔アレルギー症候群を発症する場合が多いと考えられています。
また、小児では、多食することで、果物にアレルギーを起こす可能性も考えられています。

口腔アレルギー症候群は1990年代ころから報告が増えはじめました。
まだ解明されていないことも多く、効果的な予防・治療はまだ確立していません。
現状では、原因が明らかな果物や野菜は控えること、もしも食べる場合は加熱調理すること、また口にして違和感を感じたときはすぐに出してうがいをし、その食物は食べないように心がることが必要です。
症状があった場合、その果物や野菜の仲間は頭に入れておくことが望まれます。例えばリンゴを食べて反応があった人は、同じバラ科のモモやナシ、サクランボなどでも反応することがあります。
上にも書きましたようにほとんどが軽症で済むので、怖がりすぎるのは良くないですが、気をつけるにこしたことはありません。
上記のような症状があった場合は、今後の対処も含めて、ぜひ受診して相談して下さい。


アンパンマンのマーチ

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年6月14日

今日は医療から離れたお話です。

子供達が、みんな必ず一度は大好きになると言っても過言ではない「アンパンマン」。

私はアンパンマンの主題歌の「アンパンマンのマーチ」が大好きで、深みのある良い歌詞だなぁと以前から思っていました。
この歌の作詞も、アンパンマンの作者である、やなせたかしさんです。

以前から大好きだったのですが、ごく最近、この歌には、特攻隊で亡くなったやなせさんの弟のことを書いたものだという説があることを知りました。

また、やなせさんご自身が、
「これはアンパンマンのテーマソングであり、ぼくの人生のテーマソングである」
と著書に記されています。

また、こうも語っておられます。

「ひとはひとを喜ばせることが一番うれしい。
ひとはみんな、よろこばせごっこをして生きています。
それが、このいかにもさびしげな人生のささやかなたのしみになります。」

そんな、やなせたかしさんのことを知ってから、この歌の歌詞を読んで、聞いて、思いを馳せると、ますます、深みと重み、やなせさんからの熱いメッセージを感じます。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「アンパンマンのマーチ」

作詞:やなせたかし

(著作権の制約により、アンパンマンのマーチの歌詞をブログに掲載する事が出来ませんので、歌詞提供サイトなどを参照してください)

 


なぜワクチンを接種するのか

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年6月6日

できるだけワクチンを打ちたくない、と言われる親御さんが、時々いらっしゃいます。

その気持ちは分からなくはありません。
ワクチンにもデメリット(副反応など)はあります。
しかし、ワクチンに限らず、医療行為というのは全て、メリットとデメリットを天秤にかけて、メリットが大きいと判断されるから行われます。

そもそも何故ワクチンを接種しなければならないのか。

そう質問をされたとき、私はこう答えます。
「子供を死なせないためです」「子供を守るためです」

簡単に言えば、命を守るためにワクチンを接種するのです。

逆に言えば、死なない病気ならばワクチンをうつ必要はないと思っています。
実際に、親御さんから質問された時、ロタワクチンについては「日本に住んでいる限りは、どっちでも良いワクチンかもしれませんね」とお答えするようにしています。
それは、ロタウイルスの感染によって子供が命を落とすことは、日本に住んでいる限りは「非常にまれ」だからです。(ゼロではありません)
子供を保育園に預けて働くお母さんにとっては、ロタワクチンをのんでいる方が「経済的に」損失が少ない可能性が高いです。
でも、言葉は悪いですが、それだけの話です。日本では、命に関わることは殆どありません。だから、特に強くはお勧めしていませんが、ロタウイルスの腸炎は長いと1週間以上吐き下しが続いて入院になることも多いので、命に関わらなくてもそんなしんどいのは嫌だと思うならのんだ方が良いです。というわけで、親御さんに判断してもらって良いと考えています。
乳児期の一定の時期をすぎるとのめないワクチンなので、迷うぐらいならのんでおいたらどうですか、ぐらいに考えています。
もう一つ、子宮頸がんのワクチンに関しては、まだ長期的なデータが少なく、メリット(どれぐらい子宮頸がんが予防できるか)とデメリット(副反応がどれぐらいあるか)がわかりづらいので、積極的にお勧めしていません。これも最終的には親御さんに判断してもらうしかないと思っています。

ロタと子宮頸がん以外のワクチンに関しては、私は積極的に接種をお勧めします。

ワクチンは「しんどい病気にかからなくするため」なんていう生易しい理由ではなく、「死なせないため」に接種するものだ、いうのが私の認識です。

ワクチンのある病気について説明しますと、

・ヒブ
ヒブとは、「ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型:Hib」という名前です。「インフルエンザ菌」という紛らわしい名前がついていますが、インフルエンザとは関係ありません。この菌は、重篤な細菌性髄膜炎や、急性喉頭蓋炎という、死んでしまったり後遺障害が残ったりする病気の原因菌です。

・肺炎球菌
肺炎だけでなく、細菌性髄膜炎などの死んでしまったり後遺障害が残ったりする病気を引き起こします。

・三種混合&ポリオ、あるいは四種混合
百日咳は今の日本でもありふれた病気です。1歳未満の乳児が感染すると呼吸停止を起こして死んでしまうことがあります。
ジフテリアは世界中でワクチンが普及したために患者数は激減していますが、ゼロではありません。かかると致死率が10%ぐらいです。非常に苦しみます。
破傷風は日本でも大人を含めて年間100件程度の発生があります。先進国での発生報告は多くはないですが、これはワクチンが普及しているせいです。発展途上国では正確な統計はないのですが、年間で数十万~100万程度の死亡数が推定されていて、その大多数が乳幼児です。
ポリオも世界的なワクチン接種で激減はしていますが、未だに常在国も存在します。死亡したり、命は助かっても麻痺が残ることが多い病気です。

・BCG(結核)
乳児が結核に感染すると高確率で結核性髄膜炎などの全身感染を引き起こします。非常に重篤で、死んだり後遺障害が残ることも多い病気です。
また、結核を患っている人は案外、多いです。乳児がどこで結核菌をもらってしまうかわかりません。

・B型肝炎
慢性肝炎を発症するといずれは肝硬変そして肝がんへ進展します。
また、幼少時に感染するとキャリアとなり他の人、特に愛する人に病気をうつしてしまう可能性が高くなります。
成人期に感染すると劇症肝炎を発症して死んでしまうことも多い病気です。

・MR
とくに麻疹は、かなりの頻度で脳炎や重篤な肺炎を引き起こします。死ぬことも多い病気です。
風疹は、妊娠中にかかってしまうと、お腹の中の赤ちゃんが死んだり重篤な障害をもって生まれたりします。

・水痘
あまり怖がられない水痘ですが、まれに脳炎を引き起こします。

・おたふく
おたふくには髄膜炎や脳炎の他、様々な合併症がありますが、中でも頻度が高くて厄介なのが難聴です。
この難聴は一生治りません。後遺障害として残ります。

・日本脳炎
読んで字のごとく、脳炎を起こします。
脳炎になれば死ぬか、助かっても後遺障害が残る可能性が高いです。

・インフルエンザ
風邪の一種ですが、重症化すると肺炎や脳炎・脳症、心筋炎などを引き起こします。
毎年多くの方が命を落としています。

・子宮頸がん
20~30代女性の患者・死者が急増しています。

以上、詳しくは、当院のホームページからもリンクを貼っています「KNOW☆VPD!」のサイトもぜひ読んでみて下さい。

死ぬ病気だからこそ、あるいは重い障害が残る病気だからこそ、必死でワクチンを開発するのです。また、政府や地方公共団体がどこも赤字で苦しんでいる中で、それでも公費で接種してくれるのです。

上で書きましたロタウイルスなどは、医療の整った日本ではまず死ぬことのない病気ですが、医療水準が低く衛生状態の悪い途上国では日々たくさんの乳幼児が命を落としています。

だからワクチンが開発されたのです。

繰返しになりますが、もう一度書きます。
何故ワクチンを接種しなければならないのか。
それは、子供の命を守るためです。

 


処方箋の期限にご注意

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年6月5日

今回は、処方箋の期限についてのお話です。

保険診療の処方箋には、有効期限があります。交付の日を含めて4日以内に保険薬局に提出すること、と定められています。
繰り返しますが、処方箋の期限は「交付の日を含めて4日」です。ということは、交付の日から3日後まで、ということになります。この日数には、土日祝日も含まれます。

その日の内に薬局に行けず、次の日に行こうと思っていたら忘れてしまったりする場合はあると思います。
また、金曜日に受診して、来週早々に取りに行こう!と思っていたとします。月曜日が祝日だったりすると、その処方箋の使用期限は切れてしまいますね。

期限が切れた場合、簡単に再発行できると思っておられる方が多いようなのですが、実はこれは、大変困ったことになるのです。

昔は、「疑義照会」といって、薬局から、電話で「期限切れの処方箋を持って来られていますが、期限を延長して良いですか?」と医療機関に問い合わせて、医療機関(主治医)が「良いですよ」と答えれば、有効な処方箋として調剤が出来る、という時代がありました。実はこの時代でも、本当は(保険のルール上は)ダメだったんですが、かなり大目に見てもらえていたわけです。
しかし、当たり前に期限切れの処方箋を薬局に持ってきて「電話してよ、延長できるんでしょ」という患者さんが増えたせいか、あるいは他に理由があるのかはわかりませんが、数年前に、明確に「それはダメです。正しく保険のルールを守りなさい」という通達が出されたため、処方箋の期限を延長することはできなくなりました。
「有効期限が切れた処方箋はただの紙である。その紙について疑義照会を行っても何の意味もない。」
「患者の利便を図るという名のもとに、脱法行為を行っている。」
というのが厚生労働省の見解らしいです。

ではどうするか、というお話ですが、「じゃあ病院・医院に行って再発行をしてもわらないといけないのか。めんどくさいな」というのが、患者さんが考える次のステップだと思います。
しかし実は、これもできません。
一度の保険診療で発行できる処方箋は1枚だけです。(薬の数が多くて処方箋の用紙に入りきらずに紙の枚数が2~3枚になることはありますが、それは1セットなので1枚と考えて下さい)
そう決まっていますので、診察をせずに「再発行」は、できません。

というわけで、また処方箋を発行するためには、「新たに受診」して、「あらためて(「再発行」ではなく、新しい診察に基づいて新しく)処方箋の交付を受ける」必要があります。それには当然、診察料もかかります。

そして、そこから先も、まだ厳しい話が続きます。保険のルールを厳格に適用すると、新しい処方箋の発行を受けるために、新しく診察を受け直したとしても、それは本来は保険診療としては認められない可能性があるのです。
認められるか認められないかは実は保険のルール上、明確な規定はないのですが、かなり黒に近いグレーであることは確かです。
病状が変化したから再度診察を受けるのは全く問題ありませんが、「処方箋の期限が切れたから新しい処方箋が欲しい」というのは本来の保険診療のルールからは逸脱している、ということです。
ですから、保険診療として認められません、と審査で判断されても文句を言えません。

以上から、「絶対に法的に問題のない方法」は、「自費で診察を受けて、自費で新しい処方箋の交付を受けて、薬代も全て自費で支払う」ということになります。それなら全く問題ありません。ただし大変高額になります。

長々と書いてしまいましたが、保険診療の場合の処方箋の期限切れというのは、上記のように様々な問題を抱えているため、我々医療機関も薬局も、そして保険の審査をする人達も、大変な思いをすることになります。
保険診療というのは、様々なルールが存在して、その中で行われているものだからです。7割あるいはそれ以上を公費で出してもらうのですから、ルールに縛られるのはやむを得ない、とも言えます。
処方箋を交付されたら、可能な限り速やかに、保険薬局に提出して下さいね。

参考までに説明しておきますと、有効期限の「4日間」というのは、あくまで、保険薬局に提出するまでの期間ですので、とりあえず薬局に処方箋を出しておいて、数日後に薬を受け取りに行く、ということは(薬局さえそれで良いと認めてくれれば)問題ありません。


開院から一ヶ月

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年6月1日

5月1日の開院から、ちょうど、1ヶ月がたちました。
今日から2ヶ月目に入ります。あっという間の1ヶ月でしたが、既にたくさんの患者さんに来て頂きました。
それだけたくさんの方に期待していただいているということを肌で感じ、その期待にしっかり応えていかねば、と身が引き締まる思いです。

開業を考え始めてから、今まで、本当にたくさんの方に助けていただき、力を貸していただきました。その中で、とても大きな縁、不思議な縁を感じることも、何度もありました。ここで文字にして書いてしまうと、読んだ人は「マンガや小説じゃないんだから」「それはできすぎだよ」と感じるだろうな、というようなお話もあります。
昔からずっとお世話になっている方、意外なところで意外な繋がりがあったり思いがけずサポートしていただいた方・・・
たくさんの方にサポートしていただいていること、たくさんのご縁に支えられていること、決して一人ではないことを常に意識して、これからも人と人とのご縁を大切にしながら、医院運営を行い、スタッフと力を合わせて、皆様に愛される、暖かくてレベルの高い医療を提供するクリニックにしていきます。
今後ともよろしくお願い致します。

 


喘息の診断について(2)

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年5月24日

今日も、喘息の診断のお話の続きです。

気管支喘息の診断は、疑わしい症状・徴候の確認と除外診断から行います。
喘息による症状は特に夜間や明け方に起きやすいという特徴があります。
つまり、夜、特に寝ている間に咳き込みあるいはゼーゼー・呼吸困難が出やすいのが特徴です。
また、前回も書きましたように、症状が(無症状の時期を挟んで)繰り返すことも特徴です。
さらに、埃や煙を吸い込む、風邪をひく、痛み止めを服用する、運動する、季節や気候の変化、大笑いや大泣きなど、様々な原因により咳こみや呼吸困難などの症状が引き起こされたり悪化することも、喘息を疑わせる有力な根拠となります。

典型的な症状が認められて、かつ、症状が他の病気によるものではないことがはっきりすれば、喘息と診断されます。
他の病気の鑑別のためには、呼吸機能検査や胸部レントゲン撮影、血液検査などの検査を必要に応じて行います。
喘息の呼吸困難の特徴は、息を吐こうとするときに気管支が狭くなり、スムーズに吐けないことですが、呼吸困難の性質と程度は、呼吸機能検査をすればわかります。
息を最大に吸った状態から一気に吐き切る「最大努力呼気」をしてもらい、最初の1秒間でどれくらいの絶対量を吐くことができるか(1秒量)や、吐き出した量全体に対する最初の1秒間で吐き出した割合(1秒率)を指標にします。さらに気管支喘息では、β2刺激薬と呼ばれる気管支拡張薬を吸入すると1秒量が吸う前と比べて改善することが特徴的で、これを「気道の可逆性」と呼んでいます。可逆性が認められたということは、本来開いているべき気管支が十分に拡張していないことを意味しています。
呼吸機能検査の問題点は、普通に息をしたり、思いっきり息を吐いたりなど、指示通りに上手に息を吸ったり吐いたりできないと、正確なデータが得られません。目安としては、小学生ぐらいになれば、できるお子さんが増えてきますが、未就学の小さなお子さんには難しい検査です。

アレルギーと喘息との関係ですが、喘息は、明らかにアレルギーの関与が認められるアレルギー型(別名アトピー型)と、関与が明らかでない非アレルギー型(別名感染型)とに分けることがあります。花粉症やアトピー性皮膚炎などの他のアレルギー疾患があったり、血液検査をすると例えばハウスダストやダニ、カビ、ペットなどに対するIgE抗体が見つかったり、あるいは家族にアレルギー疾患があって、喘息の発症にアレルギーの関与が強そうな場合にアレルギー型・アトピー型に分類します。
わが国では気管支喘息の6,7割はアトピー型で、特に幼少期に発症する喘息の9割程度はこのタイプです。アレルギーの関与が強いことを「アトピー素因がある」という表現をすることもあります。

ゼーゼーあるいは呼吸困難がある状態で受診された場合、外来でβ2刺激薬と呼ばれる気管支拡張薬を吸入するとゼーゼーや呼吸困難がなくなったり軽くなったりすることが確認できたら、喘息と診断する非常に有力な根拠となります。


喘息の診断について(1)

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年5月19日

今日は喘息という病気の診断について書きます。

赤ちゃんや小さい子どもは、かぜをひいた時などにゼーゼーすることが、よくあります。

小児喘息はゼーゼーする病気です。しかし、赤ちゃんがゼーゼーしただけではすぐに「喘息」とは診断しません。それは、赤ちゃんがゼーゼーする病気には、喘息以外にも、色々な病気があるからです。

喘息の診断・治療ガイドラインでは、喘息の診断の目安は「呼気性喘鳴を3回以上繰り返す」こととされています。

呼気性喘鳴(こきせい ぜんめい)とは、息をはいている時にゼーゼー・ヒューヒュー音がなることを言います。
「ゼーゼー・ヒューヒュー」する時、つまり喘鳴がある時は、気道(空気の通り道)のどこかで、空気の流れを妨げているものがあります。どこで空気の流れが悪くなっているのかによって音の出方が違うので、喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー)を、呼気性喘鳴と吸気性喘鳴の2種類に分類します。

呼気性喘鳴は、主に息を吐く時に聞こえる喘鳴で、下気道の空気の流れが悪い場合に認められます。具体的な病気としては、気管支炎や細気管支炎、喘息などです。

吸気性喘鳴は、主に息を吸う時に聞こえる喘鳴で、上気道での空気の流れが悪い場合に認められます。具体的には、鼻水が多い時や、鼻の粘膜が腫れている時、クループ・喉頭炎など喉が腫れている時などです。

その、呼気性喘鳴ですが、「呼気性喘鳴を3回以上繰り返す」というのは、1回目の呼気性喘鳴を認めた後、完全に治って無症状の時期がしばらく続いてから、次に呼気性喘鳴を認めた時に2回目と数えます。
例えば、かぜにかかった時に、ゼーゼーしていて、はじめて「呼気性喘鳴があります」と言われたとします。その翌日もゼーゼーしていても、それは2回目の呼気性喘鳴とは数えません。そのかぜがすっかり治って、少なくとも一週間以上ぐらいはたってから、再び「呼気性喘鳴があります」といわれた時を、2回目と数えます。
3回以上の呼気性喘鳴を認めれば、喘息である可能性が高いと考えられます。

 


外来での検査について

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年5月13日

前回、嘔吐・下痢(急性胃腸炎)について書きましたが、それに関連して、ノロウィルスあるいはロタウィルスの迅速検査についてですが、よく保護者の方からお話が出ます。「保育園から検査してくるように言われた」などです。
しかし、はっきり言いまして、そういった検査は、殆どの場合、必要ありません。

というのは、嘔吐や下痢の原因がノロウイルスでも、ロタウイルスでも、アデノウイルスでも、あるいは(外来でできる迅速検査のない)その他のウィルスでも、急性胃腸炎の治療方針は全く変わりません。
薬も、どのウィルスでも全く同じです。ノロウィルスだから特にこの薬、というものはありません。
ノロウィルスが陽性なら休まないといけないが、ノロウィルスが出なければ下痢がひどくても登園して良い、というわけでもありません。ノロであろうがなかろうが、嘔吐と下痢が治まるまでは登園は控える必要があります。
では、どんな時に検査をするかというと、例えば嘔吐がしつこく続いたり、嘔吐の様子が少し不自然だったりで、「本当にウィルス性の胃腸炎という診断で合っているかどうか、他の病気による嘔吐じゃないか」を確認するために検査することはあります。
しかし、まずウィルス性胃腸炎で間違いないだろう、という時に検査をする意味は殆どありません。

胃腸炎に限らず、治療方針に影響のない検査は、当院では積極的には行いません。

最近検査できるようになった「ヒトメタニューモウィルス」も同様です。これはいわゆる風邪のウィルスです。治療薬や重症化予防薬などは存在しません。対症療法だけです。よって、上記のロタやノロウィルスと同様、検査をする意味があるのは、他の病気じゃないかどうかを確認する時だけです。

インフルエンザや溶連菌感染症など、検査の結果により治療薬が変わったり、治療期間が変わる病気については、お子さんに鼻や喉が痛かったりなど少しの負担がかかりますが、積極的に検査することをお勧めしています。
アデノウィルスについても、入院が必要か、あるいは抗生剤の処方が必要か、という治療方針の判断に必要な場合には、積極的に検査をお勧めします。


嘔吐・下痢症について

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年5月10日

こんにちは。すぎもとキッズクリニック院長の杉本です。

今までアレルギーの話が続いたので、今日はアレルギーではなく、小児に多い「嘔吐・下痢」について書きます。

赤ちゃんや子どもの急性胃腸炎は嘔吐と下痢が主な症状で、細菌性の胃腸炎の場合もありますが、殆どがウィルス性胃腸炎です。ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルス、などが主な原因ウイルスです。

ウィルス性胃腸炎というのは、ウィルスが胃腸に入り込んで、胃腸の働きを悪くするために、嘔吐したり、下痢をしたりします。人によって、嘔吐だけ、あるいは下痢だけ、腹痛だけの事もあります。
一般に、「おなかのかぜ」「胃腸かぜ」「はきくだし」「嘔吐下痢症」「腸感冒」など、様々な呼び方で呼ばれています。

なぜ嘔吐するかというと、簡単に言えば、胃腸が病気でしんどいので「休みたがっている」からです。
病気のせいで消化吸収能力が落ちている胃腸に、食べものや飲み物が入ると、「こんなの消化できない!」と、嘔吐して外へ出してしまうわけです。

嘔吐したら、1~2時間は飲み食いしないことをお勧めしています。
お子さんが嘔吐すると脱水症が心配になったり、お子さんが水分を欲しがるので、つい、嘔吐した直後にでも水分を与えたくなりますよね。
しかし、嘔吐した直後に水分を摂取しても、殆どの場合、また続けて嘔吐してしまいます。
少なくとも30分、できるだけ1~2時間程度は飲んだり食べたりせずに、胃腸を休め、ただ寝かせてあげると良いでしょう。
お子さんが水分を欲しがっても、少しの間の「がまん」をしてもらうことも大切です。

嘔吐している時の水分は、「経口補水液」がお薦めです。市販のものでは「OS-1」や「アクアライトORS」があります。ご自宅で、水1リットルに対して、塩3gと砂糖40gを混ぜて作ることも出来ます。これらを用意していただいて、お子さんに、ゴクゴクと飲ませないで、保護者がティースプーンあるいはおちょこのようなもので、一杯ずつ与えて下さい。一口与えたら数分間待って、また一杯与えて下さい。そのようにして、1時間程度かけて、100ccを飲みます。100cc飲めたらお子さんも保護者も一時間休憩して下さい。この一時間は胃腸の仕事を減らしてさきほどの100ccを確実に体に吸収させるための時間です。欲しがってもまた「がまん」していただいた方が良いです。

上記のようにして、様子をみながら、吐き気が治まってきたら徐々に水分を摂る量を増やして、ゴクゴクと水分を摂取しても嘔吐しないようになったら、お米(お粥)、パン、うどんなどの穀類を補給しましょう。穀類を採ると体のエネルギーとなり、疲れやだるさが取れます。お肉や野菜などはもう少しの間、控えた方が安心です。食べられるようになっても、胃腸の働きはまだまだ100%までには回復していませんから、少量ずつ与えるようにしましょう。

赤ちゃんの場合、母乳は飲めれば胃腸にも優しいので、お薦めです。ただし、母乳は一回に胃腸に入る量が多いことが難点です。可能なら搾乳して少しずつ与える方が安心です。

粉ミルクは、与えるなら薄めず通常通りの濃さで良いのですが、母乳よりもお腹への負担は大きいため、胃腸炎の程度と下痢の長引き加減によっては、一時的に粉ミルクを止めていただくようにお話しする場合もあります。

少量頻回の水分摂取を行っても嘔吐が続く時は、脱水の程度が強い場合、あるいはウィルス性胃腸炎以外の原因による嘔吐の可能性がありますので、ご自宅で我慢しすぎないで、医療機関を受診して下さい。
一度、嘔吐が始まった初期にきちんと診察を受けていても、病初期には病気の特徴的な症状が現れないことも多いし、経過中に他の病気を併発している可能性もありますので、診断が間違っている、あるいは嘔吐の原因そのものが変わっている可能性があります。嘔吐や極端な不機嫌が続くときは、何度でも繰返し医療機関を受診して下さい。

 


食物アレルギー②乳児湿疹との関係

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年5月6日

今日も食物アレルギーのお話です。今日は、食物アレルギーと乳児湿疹・皮膚炎との関係について書きます。

アレルギーはもともと、体の中に不要な異物を入れないための仕組みです。とくに必要のないものが、何度も繰り返し体の中に入ってくると、その物質に対してアレルギーを持つようになります。

昔から、赤ちゃんの頃に湿疹が強いと、食物アレルギーを起こしやすいということが経験的に分かっていました。

最近まで、「アレルギーがあるから、アレルギーが強いから、湿疹・アトピー性皮膚炎ができる」と考えられていました。

しかし、乳児湿疹というものは、アレルギーで起こるものではありません。湿疹は皮膚の下の炎症です。生まれつき皮膚が弱いお子さんは、さまざまな刺激が皮膚の下にまで伝わりやすく、乳児湿疹ができやすいのです。つまり、乳児湿疹がひどいお子さんは、生まれつき皮膚が弱いという性質を持っているわけです。

皮膚は、外界から体を守る「バリア」の働きをしています。

しかし、上記のような、皮膚が弱い(=乳児湿疹が強い)お子さんは、その皮膚のバリアが十分に働かない、ということになります。

例えばですが、ご家庭で卵料理をすると、たくさんの卵が飛び散っています。もちろん、目には見えないレベルでの話です。実際、家のほこりを調べると、たくさんの食物の、ごくごく小さな破片が見つかります。
また、おうちの方(お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、ご兄弟、などなど)は、ご飯を食べた後、必ず綺麗に手を洗ってから赤ちゃんを触りますか?
通常、食事の前はともかく、後にしっかり手を洗ってからでないと赤ちゃんを触らない、という人は殆どいないのではないかと思います。

皮膚が丈夫だと、ちょっとやそっと触ったところで、体の中に卵の破片が入り込むようなことは、まずありません。

しかし、乳児湿疹があると、卵の破片が、皮膚のバリアを通り抜けて、体の中に入りこんでしまいます。
しかも、乳児湿疹があると、皮膚の下には炎症性の細胞が集まっています。これらの細胞が働くことによって、アレルギーの時に働くIgE抗体を作ってしまいます。

これが、アレルギーの原因になる。ということが、最近になって、わかってきました。

ですから、食物アレルギーを防ぐためには、湿疹・皮膚炎をしっかりとコントロールすることが重要です。しっかりコントロールして、赤ちゃんの肌からさまざまな異物を入れないようにする、ということですね。

具体的には、
一つには、ステロイド軟膏などを用いて、皮膚の炎症をしっかりと抑えてやること。
そして、一つには、保湿剤を適切に用いて、皮膚を強く保つこと。

そういったスキンケアが、とても大切です。

 


食物依存性運動誘発アナフィラキシー

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年5月5日

食物アレルギーの中に、「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」という病態があります。
ある特定の食べ物を食べた後に運動することによって、アナフィラキシー状態が引き起こされる病気です。
運動の強さは、激しい運動により引き起こされることが多いのですが、時には散歩などの軽い運動で起きることもあります。

運動中の典型的な症状や、特定の食物を食べて運動するといつも症状が出る場合には、比較的容易に診断が可能なことが多いです。
一部の専門施設では、食物を摂った時に、心臓の検査で用いるトレッドミルの上を歩いたり走ったり、エルゴメーターという自転車のような機械を使って運動負荷をかけた時に、血液中のヒスタミンが上昇することを確認することで、診断をより確実にすることもあります。
小麦などの疑わしいアレルゲンの、血液中のIgE抗体を測定することで確認することもありますが、血液検査では陽性にでないことも多いので、臨床的な状況と症状を十分に患者さんに聞くことが診断のためにはとても重要になります。

運動中に症状が出現した場合にはただちに運動を止めて安静を保つことが大切です。じんま疹・呼吸困難・血圧低下・意識消失などのアナフィラキシー症状が出現する病気ですので、少しでも怪しい症状が出始めたらすぐに運動をやめて下さい。
食物依存性運動誘発アナフィラキシーのある方は、食事の後2時間は安静にして運動をしないことで予防できます。
また、症状が出た時に備えてあらかじめ薬を処方してもらって携帯しておくと良いでしょう。その薬を使ってもどんどん症状が進む場合には、ただちに医療機関を受診して下さい。

上記のような病気ですが、ある時期は症状が強く出ていても、いつの間にか症状が出なくなって、薬も必要とせず、通院しなくて済むようになる患者さんも沢山います。


食物アレルギー①

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年5月3日

今日は少し、食物アレルギーのお話を書かせていただきます。

よく外来で患者さんに言われるのが、
「アレルギーがありそうなので、血液検査をして下さい」
あるいは、
「(今までに他の病院・医院で)アレルギーの血液検査をして、卵と牛乳が陽性だったので食べていません」
というようなお話です。

血液検査はもちろん大切です。
大いに参考になります。
ただ、残念ながら、100%確実なものではありません。
私は、今の医学の限界であると考えています。将来、もっと研究が進んで、さらに有用な検査が出てくる可能性はありますが、少なくとも現在使われている血液検査は、「参考」にはなりますが、「完全にわかる」わけではありません。

検査の値が相当高い時には要注意ですが、高くても食べることができる場合もあります。

逆に、検査の値が低くても、アナフィラキシーなどの激しい症状が出ることがあります。

実際に食べ物でどんな症状が出たかがとても大事です。検査はあくまでも、それ以前に「参考」にするものです。

以上をふまえて、私の場合、診療は以下のように進めます。

食物アレルギーの診療の流れ
1. まずは保護者の方が、今までの経過をできるだけ詳しくお知らせください。これがとても大事です。できるだけ今までの経過を詳しく説明できる方が一緒に受診して下さい。
2. 検査 (血液検査など) を行って、その結果を参考に、今後の方針を立てます。
  ただし先にお伺いしたお話の内容によっては、あえて検査を行わない場合もあります。
3. 食べて良いのか、食べるならどの程度からどのように始めるのか、あるいは完全に禁止・除去すべきなのかを十分に検討します。 必要性と危険性を考慮して、食物経口負荷試験の可否を決めていきます。
 

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