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クレーマーについて

投稿者 j_sugimoto 日時 2024年12月25日

最近、インフルエンザの流行もあり、患者さんが非常に多く、外来の順番予約を取るのが困難な状態が続いています。

そのせいか、「患者数で制限するなんてお前のところはそれでもビョウインか」「患者が診てくれって言うてんねんから断らずに診るのがお前らの仕事やろ」などのクレームを、電話などで言われる事態が連日続いています。

当然ながら医者である院長の私も、他のスタッフも、みんな人間です。
本人や家族がインフルエンザに罹患することもありますし、自分が休みの日には仕事以外の予定を入れていることもあります。
そんな中で、当院としては、診療を続けられるように、勤務を交代したり、プライベートの時間や予定を潰して犠牲にしたり、それぞれの家族に我慢してもらったりしながら、各スタッフに協力してもらって、なんとか日々診療しています。
当院のスタッフはひとり残らず例外なく、みんなとても協力的です。
そのような当院スタッフにとって、上記のようなクレームが、しかもその言い方が、どれだけ心を削られるものか、考えてみたことがありますか?

クレーマーの方は、むしろ、相手のこころを削るために、わざと心無い言葉を投げかけるのかもしれませんが。

医師(あるいは他のスタッフ)と患者さんの関係は、対等です。
少なくとも私はそういうポリシーでやっています。
決して、医師・医療者が偉いわけではありません。
ただし。
患者さんが偉いわけでもありません。
あくまでも対等な関係であると、当院としては考えています。
まして、受診されていない方は、まだ当院の患者さんですらありません。
電話で、あるいは対面で、お話をする場合。
口のききかたにはくれぐれも気をつけて下さい。
対等な相手に対して、「お前」呼ばわりをしますか?
「なんやその口のききかたは!!」と言っているあなた自身の今の口のききかたは、いかがですか?

今朝もクレームがありました。
朝診でワクチンを打ってほしかったのに、順番が取れなかったので打てない。今月中に打たないといけないのにどうしてくれるんだ。といった内容。
対応したのは他のスタッフでしたが、私が隣で聞いていました。
そのスタッフは途中で「なんやその口のききかたは!」とキレられ、そこから相手の罵詈雑言が始まりましたが、私からみる(聞いている)限り当院のそのスタッフは、常に敬語で丁寧に説明していました。
しかも、以前にも同じ方に説明したことのある同じ内容を、噛み砕いて、丁寧に。
私からみて、何らキレられるような内容ではありません。はっきり言って意味不明です。
自分の都合とワガママを押し付けたいだけにしか聞こえませんでした。
そして、電話の相手方の口のききかたの方がよほど問題があると感じました。
あれ以上の対応を求められても、当院では、無理です。
できる医療機関もきっとどこかにはあるでしょうから、ぜひご自身で納得の行く対応をしてくれる医療機関を探していただきたいと思っています。

当院の院内ルールにも問題がある(ルールを曲げてでも自分のワクチンを優先しろ)と言いたいのかもしれませんが、ワクチン接種に限らず、色々と理由があって院内ルールが出来ています。特定の方にゴネられたからといって、それを曲げることはありません。

全体からみて、そのような「クレーマー」な方は、本当にごくごく一部、1%にも満たない人たちであることは、もちろん理解しています。
しかしながら。
毎日120~130人の患者さんを診察していますので、その「1%にも満たない人たち」を毎日診察もしますし、そういう方は執拗に電話してきますので、当院スタッフは連日、「不当なクレーム」による被害にさらされています。
最近はもう、本当に毎日です。

はっきり、心を削られます。えぐられます。大変傷ついています。
経験のない方には理解できないほどに、傷つけられています。

繰り返しますが、私達医療機関のスタッフもみんな人間です。
そして、魚心あれば水心、です。
人間としての敬意と節度を持って接してくださる大多数の患者さんには、これからも、今まで通りにきちんと対応していきます。
しかし。
こちらから患者さんに謙れと言わないのと同様に、私達も患者さんに謙りません。
今後は、当院やスタッフのことを不当に下に見る、悪質なクレーマーと感じた場合、患者さんとしては扱わず、その時点で直ちに対応を打ち切り、以後の診療を一切お断りすることを、ここに宣言します。
さらに、対応打ち切りを通達したにもかかわらず、その後も繰り返し電話、あるいは窓口にこられた場合は、業務妨害その他の犯罪行為として直ちに警察に通報します。
以上、ご了承ください。

「患者の立場であれば、医療機関の人間に何を言っても何をしても許される」と思っていませんか?
決してそんなことはないですよ、と言いたい。

これを読まれて「もしかして私のことかしら」と不安になられた方がおられましたら、申し訳ありません、おそらくあなたのことではありません。
上にも書きましたように、そのようなクレーマーは本当にごくごく一部です。
大多数の方には関係ない話です。
しかしながら、なぜ、今回、私がこのブログという公の場にこの話を書こうと思ったのか。
その事情を汲み取っていただけると、嬉しく思います。