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解熱剤の使い方

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年11月23日

解熱剤の使い方について、外来でよく質問が出ますので、説明します。

解熱剤を、例えば体温が何℃になったら使うのか、特に決まりはありません。
当院では、「39℃以上でぐったりしている時」と処方箋に指示を入れていることが多いですが、39℃というのはあくまでも目安です。他院では、38.5℃以上としているところも多いようです。(よく「38.5℃じゃなくて39℃なんですか?」 と聞かれます)

熱の(体温の)数字も参考にはなりますが、それよりも「熱のために(かなり)しんどそうかどうか」ということで判断をして下さい。39℃以上でも、比較的元気そうにしていて、水分もある程度とれているようであれば使わなくていいし、ちょっとつらそうで眠れない、あるいは不機嫌で水分をほとんどとらない、というようなときには使う、ということで良いです。
本当はちょっとクタッとして(「ぐったり」ではなくちょっと元気がない)、ゆっくり静かにして体を休めるのがちょうどいいような状態でも、解熱剤を使って人工的に熱を下げて、元気にしてしまうと、お子さんは安静にするどころか走り回ってしまって、かえって体力を消耗してしまうかもしれません。

熱のせいで機嫌が悪くて水分をあまりとらない、あるいは熱のせいで夜に眠れない、という時には解熱剤を使ってあげると良いと思います。逆に言えば、水分がとれて夜もそこそこ眠れている時は、解熱剤を使って熱を無理に下げるより、自然の経過に任せた方が良いことが多いです。
熱の、体温の「数字」はあくまでも参考にとどめて、お子さんの様子をみて、親御さんが、使うか使わないかを判断してあげて下さい。
基本的な考え方は、「使わないといけないものでも、使ってはいけないものでもない」ということです。使った方が良さそうなら使ってみても良いし、使わなくてもなんとかいけそうなら使わなくて良い、それが解熱剤だ、と気楽に考えて下さい。