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検査が必要かどうかは、診察してから

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年11月16日

検査が必要かどうかは、診察してから決めますね、というお話です。

「検査をしてもらいに来ました」という患者さんが、しばしば、来られます。

感染症にしても、アレルギーにしても、そうですが、検査が必要かどうかは、診察をして、お話をよく聞いて、それから、判断させていただきます。
時々、電話で「検査できますか」という問い合わせがありますが、必ず「検査自体はできますが、するかどうかは診察した上で判断させていただきます」とお答えしています。診察せずに、事前に、必ず検査をします、というお約束はできません。


「保育園や幼稚園・学校から検査をしてくるように言われた」とのことで、保護者の方を板挟みにしてしまうこともあります。
中には検査データを提出するように言ったり、ひどいところになると、「お金のかかる診断書は必要ないがメモで良いので医院のハンコを押してもらってきて下さい」などという無理なことを言うところもあるようです。

保護者の方が間に挟まれて困っておられるのを見るのは辛いものです。
しかし、検査は、できないものはできない、必要ないものは必要ないのです。

例えば、RSウイルスの検査ですが、これは1歳未満しか健康保険で検査をすることができません。
また、たとえ1歳未満であっても、少し鼻水が出ている程度の症状で検査をすることはできませんし、その必要もありません。以前にブログに書いたことがあると思いますが、RSウイルスであってもなくても、薬が変わるわけでもありません。重症化に十分に気をつけないといけない状況あるいは症状がある時のみ、検査をすることになります。
他の子どもにうつってはいけないから検査をしてほしい、という保育園や幼稚園の事情がわからないわけではありませんが、それは少なくとも保険診療で行うわけにはいきません。

アレルギーの検査の場合も、例えば血液検査を希望される方、園や学校から血液検査結果の提出を求められている方がおられます。
アレルギーの血液検査には一定の意味がありますから、ほとんどの場合、検査をしておくことにはなりますが、以前にこれもブログに書きましたように、あくまでも血液検査結果は「参考」であり、それ以上のものではありません。
ですから、お話を伺った上で、例えば明らかに○○によるアレルギー症状である、と判断した場合には、血液検査を行わないこともあります。
しかし、「検査をすれば除去食の指示が簡単に出せる」と思いこんでいる、保育園や幼稚園、学校の先生も多いので、保護者の方には理解をしていただいても、どうしても検査をと言われてしまうこともあります。

私にも、保護者の方が園や学校との関係で不必要にトラブルを抱えないようにしたいという思いはもちろんあるので、時には妥協して、必ずしも必要とは言えない検査をしてしまうこともあるのですが、できるだけ、お子さんのためにより良い診療をすることを優先したいと思うことと、保険診療を行う上での制約などもあるので、必ずしも保護者の方や、保育園や幼稚園、学校などの希望どおりには検査をできないこともあることをご理解下さい。