インフルエンザワクチンの有効性
少し前になりますが、新聞やネットのニュースで、
「<インフルワクチン>乳児、中学生に予防効果なし」
などと報道されていたのをご存知でしょうか。
慶応大などの研究チームが米科学誌プロスワンに発表した論文で、小児を対象にした世界的に例がない大規模調査で明らかになった、というお話です。
報道では、「乳児、中学生に予防効果なし」のところに重点が置かれていましたが、この報道の仕方にはマスコミの悪意を感じます。
私はむしろ、逆に幼児~小学生には明らかな予防効果があったということに注目すべきだと思っています。
1歳未満の赤ちゃん(乳児)には予防効果がかなり乏しいらしいということは、小児科医の間では以前から言われていたことですが、それが、データとしてはっきりと示された形です。赤ちゃんを守るには他の家族などの接種が重要だということです。
また、13歳以降の中学生で効果が見られなかった理由はわかっておらず、今後の検討課題とされていますが、私の個人的な意見では、13歳以降はワクチンを通常、1回しか打たないから、というのも理由の一つではないかと考えています。
13歳未満は日本では通常、2回接種です。13歳以降の中学生は1回のことが多いです。この差が大きいのではないか、ということです。(繰り返しますが私の個人的な考えです)
13歳以降は1回接種としている医療機関が多いですが、ワクチンの添付文書にある用法では、13歳以上は「1回または2回接種」となっているので、13歳以降の中学生以上(成人を含む)でも、2回接種が特別変わった接種方法というわけではありません。受験生など、できるだけインフルエンザの可能性を減らしたい方は、2回接種を検討してみても良いかもしれませんね。
当院では、インフルエンザワクチンは1歳のお誕生日からとし、1歳未満の赤ちゃんへの接種は行いません。
1歳以上の方へのインフルエンザワクチン接種は10月半ばぐらいから行う予定ですが、現在、検討と交渉を行っています。
予約方法・費用など詳細を決定次第、当院ホームページでご案内します。もうしばらくお待ちください。