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咽頭結膜熱

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年8月16日

今年はそれほどこの病気の患者さんは多くないですが、それでも最近時々みかける病気、「咽頭結膜熱」についてお話します。

「咽頭結膜熱」と言われると「何、それ」と思う方も多いかもしれませんね。一般には「プール熱」という名前の方が知られているかもしれません。

昔はプールの水を介してうつって流行したので「プール熱」と言われましたが、現在の正しく管理されているプールの塩素濃度ではウイルスが死滅しますので、プールで流行する病気ではありません。
未だに「プール熱」と呼ぶのは、誤ったイメージを持ってしまうかもしれませんね。

正式な名称は「咽頭結膜熱」ですが、この名前がつくのは、39℃から40℃の高熱と、咽頭(のど)の腫れ、結膜炎、の全ての症状を伴った場合だけです。
原因ウイルスの名前を使って「アデノウイルス感染症」とも呼ばれます。これは症状が軽くても使える病名ですし、症状が軽くても人にうつってしまうことなど注意事項はかわらないので、咽頭結膜熱も含めて全てを「アデノウイルス感染症」と呼ぶようにするのが良いのではないか、と私は思っています。

この病気にかかってしまうと、高熱が、平均で4~5日程度、長い人では1週間以上も続きます。
10日間40℃の熱が続くこともあります。
咳、鼻水を伴うこともありますし、腹痛や下痢を伴うこともあります。
扁桃腺やのど、目が真っ赤になったり、白苔(白い滲出物)がついたり、目やにがたくさん出たりします。

ウイルス感染症で、特効薬はありません。抗生剤も効きません。
対症療法を行いながら、治るのを待つ、ということになります。

予防には、ウイルスが口、鼻、喉、目の結膜から体内に入り感染するため、タオル、洗面器、食器などは共用しないこと、咳やくしゃみでもうつるため、マスクと手洗い・うがいも予防に効果があります。
また、子供は無意識に目をこすったりしますし、あちこち触ってしまいます。みんながよく触れる、ドアノブやスイッチ、手洗い場などはこまめに消毒が出来るとよいでしょう。
消毒は、アルコールでもある程度の効果がありますが、よりしっかりと消毒するためには、ノロウイルスなどと同じく、次亜塩素酸を使うことがお薦めです。

学校、幼稚園、保育園は、主要な症状がなくなってから(熱が下がって喉や目の赤みや痛みもなくなってから)さらに2日休むこと(出席停止)になっています。