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注射は「罰」じゃないですよ

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年7月28日

診察室で、「おとなしくしてなかったら先生に注射をうってもらうよ」とお子さんを戒めている保護者の方の声を聞くことがあります。
あるいは、注射をする時に、暴れながら「ごめんなさい、ごめんなさい」と謝っている子供さんをみると、もしかしたら、お家で「悪いことしたら病院で注射してもらうからね」などと普段言われているのかもなぁ、と思うことがあります。
当たり前の話ですが、注射は「罰」ではありません。
是非、お子さんには、予防接種が自分の健康を守るための大切な手段であることを、伝えてください。
血液検査や点滴が必要な場合も、痛いことだけどあなたを守るために・病気を治すためにどうしても必要なことなんだよ、ということを繰り返し説明してあげて下さい。
がんばって、泣かないで注射や点滴を受けることができたら、たくさんほめてあげてください。泣いてしまっても、がんばって注射したことをほめてあげて下さい。

また、注射をすることを隠して・「注射はしない」と嘘をついて、お子さんを連れてくる親御さんもよくみかけます。
注射があることを事前に説明すると、病院に来るのを嫌がって大変、という親御さんの気持ちもよくわかります。
しかし、黙って、あるいは「痛いことはしないよ」「何も嫌なことせえへんよ」と嘘をついて連れてきて、突然注射をすれば、それはさらに恐怖心を煽ります。
そういうことを繰り返すと、だんだん、大人の言うことを信じなくなります。「子供だまし」という言葉がありますが、子供は大人と違って、「これは必要な嘘だ」とか「善意の嘘だ」などと考えることができませんので、「騙された」ということになります。
実際には、子育ての様々な場面の中で、「嘘も方便」ということも、たまに必要なこともあるかもしれません。しかし、基本的には子どもに嘘をついたりごまかすことは、やめていきましょう。

お子さんに、嫌なことを説明してちゃんと説得するのは根気がいります。1回や2回で聞き分けるお子さんは殆どいません。
しかし、丁寧に、お子さんに語りかければ、すぐには無理でも、近いうちに、必ず、お父さんやお母さんの気持ちは伝わります。