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チャイルドシートを使いましょう

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年7月19日

私は自動車の運転が好きなのですが、自動車を運転していると、ときどき、とても怖い光景を目にします。
助手席で、どうみても立っている子供や、後部座席の床に立ったり前に乗り出して、 運転席と助手席の間から前をのぞいていたり。
ひどい場合は、運転席や助手席で赤ちゃんを抱っこ・・・

6歳未満のこどもにチャイルドシートを使用することは、法律で決まっています。
ところが、JAFの調査では、日本でチャイルドシートを使用しているのは、6歳未満の子供の6割程度だそうです。
特に、乳児用シートを卒業したあたりから、使用率が低下するようです。

赤ちゃんの間は、チャイルドシートに寝かせる、あるいは座らせるのは、それほど大変ではないですよね。
でも、少し大きくなると、嫌がって泣いたり、自分で抜け出したり、暴れたりすることもあるかもしれないです。
泣くから・嫌がるから可哀想? チャイルドシートなんか使わなくても大丈夫?
お母さんが抱っこしていれば大丈夫?
決してそんなことはありません。チャイルドシートを使わないのは、とても危ないのです。

私が救急病院に勤務していた時には、いろいろな事故の症例を見てきました。
チャイルドシートを使っていれば助かった、あるいは軽傷で済んだであろう、たくさんの子供達。
フロントガラスに激突して頭蓋骨骨折した子もいました。割れたフロントガラスが目に刺さって失明した子もいました。体ごと窓から放り出された子もいました。
実は、法律でチャイルドシートの使用を義務化することになったのは、医療現場からの働きかけでした。「チャイルドシートさえ使用していれば助かったのに・・」という思いから、多くの子供達の命を救うために法制化を政府に働きかけたのでした。しかし、今でも残念ながら、先進国の中では日本のチャイルドシートの使用率はかなり低いです。

お母さんの膝に抱かれていても、衝突や急ブレーキの衝撃の際にかかる力は数百kgにもなります。とても人間の腕で支えきれる力ではありません。それどころか、お母さんの体が子どもの体を押しつぶすことさえあります。
自分の膝に子供を抱くことがチャイルドシートと同じくらい安全だと考えている人は案外多いのですが、それははっきりと間違っています。専門家は「膝に載せる」位置を「子供をクラッシュする(つぶす)」位置と呼んでいるぐらいです。

安全運転だから、事故に合わないから、大丈夫?
いえいえ、いくら注意していても、「もらい事故」はありえます。周りの車は、運転が上手な人ばかりじゃないです。お酒を飲んで運転するような人さえ、世の中にはいます。自分がいくら気をつけていても、交通事故は防げないことがあります。

もしもの事故の時に、いくら相手が全面的に悪かったとしても、それと自分の子供の命を守ることは全く別の問題です。

子供を不幸な事故から守るために、チャイルドシートは必ずつけましょう。
子供が生まれて、病院から子供を家に連れて帰る時からチャイルドシートを使用し始めることが重要です。嫌がろうが泣こうが喚こうが暴れようが、一度の例外もなく必ず使うということが何よりも大切です。また、正しくつけることも大切です。
親の意識改革がまず大切です。
何が「可哀想」かをしっかりと認識して、「子供のために」チャイルドシートを正しく使用して下さいね。