みずいぼ
「水いぼ」とは、正式には伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)と呼ばれる伝染性の皮膚の病気です。
ポックスウイルスというウイルスが皮膚に感染することにより発生します。
水いぼ自体は通常は痛みや痒みのあるものではありませんが、時々、周囲の皮膚に痒い湿疹を生じる「軟属腫反応」というものにより、かゆみを伴うことがあります。
また、かきやぶることで、細菌感染を起こして、膿痂疹(とびひ)になったりすることがあります。
水いぼは、平均すると数か月で自然治癒します。
しかし、自然治癒までの期間はまちまちで、何もしなくても1ヶ月後に消えていることもありますし、1年以上かかることもあります。
長期的には必ず治癒します。
当院は、基本的には「何もしない(みずいぼを取らない)」という方針です。
ヨクイニンという漢方薬が、即効性はないですが、ある程度の効果がありますので、のめるお子さんには処方します。
「保育園や幼稚園、スイミングスクールなどが、水いぼがあるとプールに入れてくれない」場合があります。
日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会から
「プールの水ではうつりませんので、プールに入っても構いません。ただし、タオル、浮輪、ビート板などを介してうつることがありますから、これらを共用することはできるだけ避けて下さい。プールの後はシャワーで肌をきれいに洗いましょう。」
という統一見解が出ています。
上記の見解が書かれた用紙は、インターネットからダウンロードもできますし、当院にもダウンロードしてプリントしたものを用意していますので、必要な方にはお渡しできます。
どうしても早く治したいからと、本人や家族が望む場合には、ピンセットで水いぼを取る治療がありますので、そういった治療を望まれる場合には皮膚科を紹介させて頂きます。
水いぼができるお子さんは、アトピー性皮膚炎や湿疹、乾燥肌を伴うことが非常に多いです。
乾燥状態や皮膚炎・湿疹がある皮膚では、何回、水いぼを除去しても、再発を繰り返してしまいます。
ですので、水いぼを取ることよりも、乾燥肌や皮膚炎・湿疹を改善させることが大切です。