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喘息の診断について(1)

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年5月19日

今日は喘息という病気の診断について書きます。

赤ちゃんや小さい子どもは、かぜをひいた時などにゼーゼーすることが、よくあります。

小児喘息はゼーゼーする病気です。しかし、赤ちゃんがゼーゼーしただけではすぐに「喘息」とは診断しません。それは、赤ちゃんがゼーゼーする病気には、喘息以外にも、色々な病気があるからです。

喘息の診断・治療ガイドラインでは、喘息の診断の目安は「呼気性喘鳴を3回以上繰り返す」こととされています。

呼気性喘鳴(こきせい ぜんめい)とは、息をはいている時にゼーゼー・ヒューヒュー音がなることを言います。
「ゼーゼー・ヒューヒュー」する時、つまり喘鳴がある時は、気道(空気の通り道)のどこかで、空気の流れを妨げているものがあります。どこで空気の流れが悪くなっているのかによって音の出方が違うので、喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー)を、呼気性喘鳴と吸気性喘鳴の2種類に分類します。

呼気性喘鳴は、主に息を吐く時に聞こえる喘鳴で、下気道の空気の流れが悪い場合に認められます。具体的な病気としては、気管支炎や細気管支炎、喘息などです。

吸気性喘鳴は、主に息を吸う時に聞こえる喘鳴で、上気道での空気の流れが悪い場合に認められます。具体的には、鼻水が多い時や、鼻の粘膜が腫れている時、クループ・喉頭炎など喉が腫れている時などです。

その、呼気性喘鳴ですが、「呼気性喘鳴を3回以上繰り返す」というのは、1回目の呼気性喘鳴を認めた後、完全に治って無症状の時期がしばらく続いてから、次に呼気性喘鳴を認めた時に2回目と数えます。
例えば、かぜにかかった時に、ゼーゼーしていて、はじめて「呼気性喘鳴があります」と言われたとします。その翌日もゼーゼーしていても、それは2回目の呼気性喘鳴とは数えません。そのかぜがすっかり治って、少なくとも一週間以上ぐらいはたってから、再び「呼気性喘鳴があります」といわれた時を、2回目と数えます。
3回以上の呼気性喘鳴を認めれば、喘息である可能性が高いと考えられます。