reservation.gif

食物アレルギー①

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年5月3日

今日は少し、食物アレルギーのお話を書かせていただきます。

よく外来で患者さんに言われるのが、
「アレルギーがありそうなので、血液検査をして下さい」
あるいは、
「(今までに他の病院・医院で)アレルギーの血液検査をして、卵と牛乳が陽性だったので食べていません」
というようなお話です。

血液検査はもちろん大切です。
大いに参考になります。
ただ、残念ながら、100%確実なものではありません。
私は、今の医学の限界であると考えています。将来、もっと研究が進んで、さらに有用な検査が出てくる可能性はありますが、少なくとも現在使われている血液検査は、「参考」にはなりますが、「完全にわかる」わけではありません。

検査の値が相当高い時には要注意ですが、高くても食べることができる場合もあります。

逆に、検査の値が低くても、アナフィラキシーなどの激しい症状が出ることがあります。

実際に食べ物でどんな症状が出たかがとても大事です。検査はあくまでも、それ以前に「参考」にするものです。

以上をふまえて、私の場合、診療は以下のように進めます。

食物アレルギーの診療の流れ
1. まずは保護者の方が、今までの経過をできるだけ詳しくお知らせください。これがとても大事です。できるだけ今までの経過を詳しく説明できる方が一緒に受診して下さい。
2. 検査 (血液検査など) を行って、その結果を参考に、今後の方針を立てます。
  ただし先にお伺いしたお話の内容によっては、あえて検査を行わない場合もあります。
3. 食べて良いのか、食べるならどの程度からどのように始めるのか、あるいは完全に禁止・除去すべきなのかを十分に検討します。 必要性と危険性を考慮して、食物経口負荷試験の可否を決めていきます。