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仮性アレルゲン

投稿者 j_sugimoto 日時 2017年4月2日

仮性アレルゲン、というのをご存知ですか。

食物アレルギーは、ある食品を食べた事により体が免疫反応を起こして化学物質を放出し、その結果として、アレルギー症状が出る事を言います。

一方、仮性アレルゲンは、その食品自体にアレルギーの時と同じ症状を引き起こす化学物質が含まれていて、それが直接体に作用します。

言い換えると、
・食物アレルギーは、食べ物をきっかけに自分の体が化学物質を作り出して症状が出る
・仮性アレルゲンは、食べ物に含まれる化学物質によって症状が出る
ということです。

仮性アレルゲンとなる化学物質と、含まれている食品の例をあげてみます。

○ヒスタミン(かゆみ、むくみ、蕁麻疹)
ほうれん草、なす、トマト、えのきたけ、たけのこ、さといもチーズ、そば、牛肉、馬肉、とうもろこし、など

○セロトニン(平滑筋の収縮、血管の収縮)
トマト、バナナ、キウイフルーツ、パイナップルなど

○アセチルコリン(自律神経失調、血管の拡張、気管支収縮=喘息症状)
やまいも、なす、トマト、たけのこ、里いも、クワイなど

○チラミン(血管収縮、血圧上昇、頭痛、動悸、発汗、吐き気・嘔吐)
チーズ、チョコレート、アボカド、バナナ、ナス、トマト、鶏レバーなど

○トリメチルアミンオキサイド(アレルギー反応を悪化させる)
カレイ、鱈、スズキ、イカ、エビ、カニなど

○サリチル酸化合物(アレルギー反応を悪化させる)
トマト、きゅうり、じゃがいも、いちご、りんご など

全てに「など」がついていますが、たくさんあります。
仮性アレルゲンとなる化学物質も、他にもまだまだ存在します。

仮性アレルゲンによる症状は、用量依存性がある、つまり大量に摂取したときに症状は強くなること、アレルギー症状は毎回は起こらないことが特徴です。
仮性アレルゲンによる症状か、食物アレルギーによる症状かを見分けるためには、血液検査がある程度有用です。
血液検査で絶対的なことがわかるわけではありませんが、参考になります。

対策としては、食材が古くなると化学物質が増えるものが多いので、食材は新鮮なものを調理に使用することが重要です。また、加熱すると症状が出にくくなることが多いので、加熱・湯切り・あく抜きなどの加工をしっかり行い、少量ずつ摂取することで、強い症状が出るのを防ぐことができます。
また、症状が出たことのある人は、体調が悪い時にはこれらの食品は摂取を控えるか、摂取量を少なくしてください。