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妊娠中の食事と子どものアレルギー

投稿者 j_sugimoto 日時 2016年6月30日

先日、外来で質問されたのですが、
「妊娠中に特定の食品(卵や牛乳など)をたくさん食べたら、赤ちゃんがアレルギーになる」という話を聞いたのですが本当ですか?
という質問がありました。

妊娠中の食事制限はその後の赤ちゃんのアレルギーとは何も関係ない、というのが、現在の考え方の主流です。

アレルギーは体質の素因も大きいので、両親もしくは、母親、父親のどちらかにアレルギーがあれば、子どもにアレルギー体質は遺伝することがあります。
ただし、もちろん、ぜんそくやアトピー性皮膚炎などのアレルギーの病気が必ず発症するというわけではありません。

アレルギーについては、まだまだ、はっきりとわかっていない部分も多いのですが、発症するかどうかは環境や生活習慣、食事など、さまざまな要因が関係します。

「妊娠中に牛乳や卵、大豆をとらないように食事制限したほうがアレルギーの発症が抑えられる」という報告も過去にあったのは事実です。しかし、その後の研究や報告で、これについてはどうも違うらしいということがわかっています。
つまり、現在では、「お母さんが妊娠中に卵や牛乳をとってもとらなくても、赤ちゃんのアレルギーの発症率は変わらない」と言われています。
食べ過ぎや飲み過ぎには注意が必要ですが、「赤ちゃんのアレルギーを心配して食事制限をするよりも、バランスよく栄養をとったほうがいい」というのが、いまの考え方の主流になっています。
大切なのは偏らない食事を心がける事、特定の食材ばかり極端に食べ過ぎないように1日の摂取量を考える事です。

また、食品添加物はアレルギーと関わりがありますので、例えばインスタント食品、ファーストフード、スナック菓子などは、食べ過ぎないように注意が必要です。