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「子どもとメディア」の問題に対する提言

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年9月27日

先日、とあるお母さんと外来でお話をしたのでここにも書いておこうと思います。

今の生活では、身の回りに、テレビ、テレビゲーム、携帯用ゲーム、インターネット、スマホ、など、いろいろなものがありますが、一言で表現すると「メディア」と言われるもの、これらの映像を長時間観ていると、脳の発達、特に前頭葉の発達を抑制すると言われています。
前頭葉の中でも特に前頭前野というところは、思考や創造性を担う脳の最高中枢で、生きていくための意欲や、情動に基づく記憶、実行機能などを司っています。
この部分の発達が抑制されることで、意欲が湧かない、やる気が出ない、あるいはキレやすい状態になると考えられます。
つまり、長時間メディアの画面を観ることで、脳の機能が損なわれるわけです。
特に、脳が急速に成長している乳児~幼児期にはその影響はとても大きいのです。

そこで、日本小児科医会が「子どもとメディアの問題に対する提言」を出しています。

(1)2歳までのテレビ・ビデオ視聴は控えましょう。
(2)授乳中、食事中のテレビ・ビデオの視聴は止めましょう。
(3)すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが重要です。1日2時間までを目安と考えます。テレビゲームは1日 30 分までを目安と考えます。
(4) 子ども部屋にはテレビ、ビデオ、パソコンを置かないようにしましょう。
(5)保護者と子どもでメディアを上手に利用するルールをつくりましょう。

最近では、「スマホ」なども含まれます。

また、「メディア」の中には、いわゆる「幼児教育用」の教材も含まれます。

国によっては、小児科学会に相当する団体が、2歳あるいは3歳までは一切メディアを見せるな、と勧告しているところもあります。

「メディアとのつきあい方」はとても大切です。時間を制限することと、使うとしても決して見せっぱなしにするのではなく、上手に活用して「親子で一緒に利用する」という姿勢が大切です。今一度、お父さん・お母さん自身のことも含めて、「メディアとのつきあい方」を考えなおしてみると、親子にとって素敵な発見が得られるかもしれませんね。