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口腔アレルギー症候群

投稿者 j_sugimoto 日時 2015年6月27日

「口腔アレルギー症候群」というものがあります。

最近は果物や野菜のアレルギーが増えてきています。
果物・野菜などの食物を食べると、直接触れたくちびるや舌、のどの奥がかゆくなったり、腫れたりします。これを「口腔アレルギー症候群」と言います。
ほとんどが、口や口腔内、のど、顔の症状だけで済みますが、ひどい場合は、じんましんが出たり、目や鼻の花粉様の症状や、吐き気、腹痛や下痢、気管支喘息の発作を起こしたり、最悪の場合はアナフィラキシーを起こし命に関わる場合もあります。
基本的には、原因となるものが粘膜に直接触れることで生じるアレルギー反応です。
原因となる果物・野菜はモモ、リンゴ、ナシ、サクランボ、イチゴを中心にバラ科の果物、メロン、スイカなどウリ科の植物、キウイ、バナナ、トマト、ジャガイモなど、かなり多くの果物や野菜などが原因となります。
花粉と交差抗原性(アレルギーの原因となる物質が共通して含まれていること)がある食品によって起こることが多いため、年長児や大人では花粉症を発症した後に口腔アレルギー症候群を発症する場合が多いと考えられています。
また、小児では、多食することで、果物にアレルギーを起こす可能性も考えられています。

口腔アレルギー症候群は1990年代ころから報告が増えはじめました。
まだ解明されていないことも多く、効果的な予防・治療はまだ確立していません。
現状では、原因が明らかな果物や野菜は控えること、もしも食べる場合は加熱調理すること、また口にして違和感を感じたときはすぐに出してうがいをし、その食物は食べないように心がることが必要です。
症状があった場合、その果物や野菜の仲間は頭に入れておくことが望まれます。例えばリンゴを食べて反応があった人は、同じバラ科のモモやナシ、サクランボなどでも反応することがあります。
上にも書きましたようにほとんどが軽症で済むので、怖がりすぎるのは良くないですが、気をつけるにこしたことはありません。
上記のような症状があった場合は、今後の対処も含めて、ぜひ受診して相談して下さい。